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テ・ジョヨン第19回

第19話
騎馬軍が走っている。

平壌城。
「昨夜、唐が蛇水を渡り、陣取りました」
「待たずに出ましょう、今すぐ総攻撃命令を」
ヨン・ゲソムン「ヤン将軍から連絡は?」
イ・ギウ「連絡が途絶えたままです」
「大莫離支、今、コム将軍が来ました。ヤン将軍の伝令です」



唐の軍営。
「いつまでも援軍を待ち伏せさせられません」
「長引けば、作戦がばれてしまいます」
「こちらから攻めよう。敵をおびき寄せればいい」
「ソル将軍、平壌城の門が開いた。ヨン・ゲソムンが総攻撃に出た」
ソリンギ「先鋒は、ヨン・ゲソムンか?」
パン将軍「さよう」
契丹部族長「将軍、すべて計画通りに進んでいます」
ソリンギ「皆の者、持ち場へ戻れ、奴らを我が陣営におびき寄せるのだ。私の命令がなくば、決して軍を動かすな、さあ、早く行くのだ」
「はい、将軍」
「ヨン・ゲソムン・・・、覚悟せい。以前に平壌城で受けた屈辱は、未だ忘れられんぞ。今日こそ、その首を斬ってやる。早く来るのだ、ヨン・ゲソムン」

唐の軍営に、チョリン、イ・ヘゴらが着く。
ポンペ達がびっくり。
会議の席。
ソリンギ「何など? 援軍がいない? 蛇水に誰もいないのか?」
「さようです」
「では、昨夜の火矢は何なのだ?」
「偽りです、すっかり騙されたのです」
ソリンギ「な・・・騙された? 敵を引き込んでおいて、今更騙されただと?」
イ・ヘゴと、チョリン、下を向く。
「ソル将軍、ソル将軍・・・戦闘開始だ、ヨン・ゲソムンが来た」
「もはや、支援軍は一人もいない。背後は蛇水だ、どこにも行かんぞ。背水の陣だ。ここで死ぬか、敵を全滅させるかだ。さあ、皆、行って戦ってこい。敵か、我らか、どちらかの墓場になろうぞ」

火矢に倒れる唐軍。

ソリンギは、酒を飲んでいる。
ソリンギ「そんな・・・そんな馬鹿な」
「将軍、お逃げ下さい。皆が待っています」
「私は行かぬ。お前らで行け」
「時間がありません」
「こら、多くの兵が死んでいくのに、自分だけ図々しく逃げられるか」
「将軍、お逃げ下さい」
「ポンペ・・・お前も、主のせいで苦労ばかりだな。逃げて―ー、自分の命を守れ」
「絶対に行きません。ここで一緒に死にます」
「私のせいで死ぬんじゃない、早く行くんだ」
「結局、諦めるのですか? 高句麗を滅ぼすという先帝との約束を破るのですか? 高句麗は依然として強国です。将軍の役目は大きいのです。早くお逃げ下さい」
「生きるのは恥じだし、死ぬにもあの世への荷が重過ぎる」

戦う兵士たち。
イ・ヘゴ、チョリンも戦っている。
ヨン・ゲソムン「一人も生かすな」
馬に乗ったまま、ヨン・ゲソムンも戦っている。
ソリンギも戦っている。

西暦662年、現大同江と思われる蛇水で、ヨン・ゲソムンの高句麗軍は唐の大軍を壊滅させた。ウルチ・ムンドクのサルス大捷、ヤン・マンチュンの安市城戦、そしてヨン・ゲソムンの蛇水大捷を、高句麗の三大大捷と呼ぶ。この蛇水戦を終わりに、二次高唐戦争は、高句麗の勝利で幕を閉じたのだった。

ヨン・ゲソムンの騎馬軍が追う。

歩いて逃げる唐軍。
「私に続け。急げ。早くしろ、私に続け、急ぐんだ」
ソリンギも、イ・ヘゴもいる。

追うヨン・ゲソムン軍。
「待て」
「あの者が、唐の総司令官ソリンギです」
「大莫離支、山に逃げますぞ。止めを刺しましょう」
「ここにいてください。我らが機動部隊で全滅させます」
「いいや、奴らはこの手で殺してやる。一人も残さずにな。さあ、私に続け」

「急げ」
走って逃げる唐軍は、旗や槍を捨てていく。
「早くしろ、高句麗軍め」

立ち止まるソリンギ。
ソリンギ「くそっ、高句麗軍めが、どけい、どくんだ、そこをどけ」
「将軍」
「先頭にいるのがヨン・ゲソムンか?」
「さようです」
「ここまで追うとは。全滅させる気です」
「何と・・・けしからん奴」
「将軍、山へ入りましょう」
「こら、目の前に奴がいるのに、敵に背を向けられるか」
「逃げないと全滅するぞ」
「弓をよこせ。弓をここへ、早くよこさんか、弓だ」
「まさか、ここから狙うのか? やめろ、無駄だ、届く距離じゃない」
「怒りは、天を突いた。これが、ソリンギの怒りだ、ゲソムン、おのれ」
ソリンギの矢は、ヨン・ゲソムンにあたり、落馬する。
「大莫離支」

「やった、当たったぞ」

「大莫離支、大丈夫ですか?」

「私の矢が命中した、ゲソムンめ」
「将軍」
「ゲソムン、さっさとくだばれ」
「将軍」
「よし行くぞ」

「大莫離支をお連れしろ」
「大丈夫だ、早く奴らを追え」
「我らが追います。大莫離支は宮殿へ」
「何をしておる、早く奴らを殺せ」
「はい、急げ、奴らを追うぞ」

コルサビウがテ・ジョヨンにかけよる。
「唐の敗残兵があそこにいる。敗走兵でも手を出せる人数ではない」
「まずは、隠れて様子を見よう」
「待ち伏せだぞ」

唐軍。
「早く、皆、急ぐんだ、早く、登れ、早くしろ」
ソリンギ「もう・・・これ以上は歩けん」
「立って下さい。敵が目の前まで来ています」
「歩けんのだ」
「将軍、山を越せば、海です。船があるはずです」
「もう少しがんばって下さい」
「放せ、いっそ戦って死んだ方がましだ。逃げるなら逃げろ」
「将軍、このままでは敵に捕まってしまうぞ」
チョリン「醜態をさらす前に、潔く死にましょう」
イ・ヘゴがチョリンをじっと見て、何ごとか言いたそうだがこらえる。
パン将軍「それには及ばぬ、私が奴らを防ぐから、その間に逃げるんだ」
ソリンギ「パン将軍」
「幸い、道が狭いから、私一人でも防げる。早く山を越えろ」
「駄目だ、将軍を残して逃げるなんて」
イ・ヘゴ「私がここに残ります」
チョリン「私もです」
「いいや、今回の事はすべて私の失態だ、あの時、水中に兵を隠すとしゃべらなければ・・・・」
ソリンギ「将軍のせいではない」
パン将軍「今まで侮辱したことを許してくれ」
「何だ、汚いんだろ?」
「そなたは、私が会った中で、最高の武将だった。どうか高句麗を滅ぼすという夢をソル将軍が叶えてくれ」
「必ず生きて戻れ。生きて共に夢を叶えよう」
「皇帝陛下に伝えてくれ。この私の最後はなかなか見事だったと、そして、皇帝陛下に最後までお仕えできず申し訳ないと、必ず伝えてくれ」
「パン将軍・・・」
「皇帝陛下、万寿無強であられますよう」
「皇帝陛下」
「皇帝陛下、この不忠をお許しください、皇帝陛下・・・」

高句麗軍が馬に乗ってすむ。
道にパン将軍が立っている。
「将軍、ご覧下さい」
「ははははは、私は、唐の左曉衛大将軍パン・ヒョテだ。ここは地獄門だ。地獄が見たい奴は、前へ出てこい」
フクスドル「な・・・何だと?」
「さあ、高句麗の誰がこの私と戦うのだ?」
「ああやつめ、誰か首を取って来い」
「はい」

逃げる唐軍を隠れてみているテ・ジョヨンたち。

パン将軍の剣が振り下ろされる。
4人の兵士がパン将軍の回りに倒れている。
「お・・・おのれ」
「もう終わりか? 高句麗には私に勝てる者はいないのか?」
フクスドル「将軍、私が行きます」
「私が相手だ」
「そうか、顔からして肉がすきそうだな」
「腹が減った。お前を獲って食らおう」
「殺す前に名を聞いてやる」
「ははははは、俺か? フクスドルだ」
「フクスドル? ははははは、岩にちなみ、鬼瓦のような顔だな」
「うるさい、さっさと来い」
斬りあう。
「顔に似合わず、なかなかだな」
「人のことを言える顔か?」
「何? よし・・・」
「野郎・・・」
パン将軍の剣の先が折れて飛ぶ。
「はははは、さあ立て」
剣を投げ、逃げるパン将軍。追うフクスドル。
「貴様、待て、待たんか、待て、待て、待たんか、待てといった、止まれ」
パン将軍が転がり落ちる。
そこには、テ・ジョヨンたち。
斬りかかった兵士の剣を奪うパン将軍。
テ・ジョヨンと一騎打ちになり、すれ違いざまに、斬りあい、剣を捨てるテ・ジョヨン。
倒れるパン将軍「皇帝陛下・・・万歳・・・」
そこへ、フクスドル。
「こら、待たんか、何だ? 何と・・・おい、こら。おや・・・お前は・・・そうか、崇武大宴の時、俺の功を奪った奴か、この場で斬って・・・」
フクスドルの剣を、剣でとめるコルサビウ。
「何だ、お前は、コルサビウ?」
「相変わらず性急だな」
「何なんだ」


平壌城。
「忠(掛け声)」
「ヨン・ゲソムンと配下の兵は、命令を全うしました」
ポジャン王(高句麗第26代王「ところで、負傷したと聞いたが・・・」
「軽い傷です、ご心配は無用。それよりも戦況の報告を」
「すでにコム将軍に聞いたぞ、ヤン将軍が唐の大軍を防いだとか」
「さようです。お陰で蛇水では大勝できました」
「今度も二人が高句麗を救ってくれた。二人こそが国の大黒柱だ」
「恐れ入ります、陛下」
ブ「聞いたところ、敵の策は実に緻密でした。それをいかにして事前に知りました?」
「私も知りたい事だ。コム将軍よ、ヤン将軍はなぜ敵の作戦を知り得たのだ?」
コム・モジャム「蛇水に高句麗の間者がいました」
「敵陣の真ん中に、なぜ我が兵が?」
「以前に、唐の倉庫を焼いた者を覚えてますか? 彼らの所業です」
「何と・・・彼らは何者だ?」
「ナムセン様か?」
サブクが、テ・ジョヨンたちを連れて入ってくる。
サブク「陛下。唐の左曉衛第将軍、パン・ヒョテの首です」
王「誰が斬ったのだ? 誰が仕留めた?」
サブク「この者どもです」

コム「陛下に申し上げます。先ほど申し上げた蛇水の間者が、まさしく彼らなのです」
ケジン「どういう事だ? ナムセンじゃないぞ」
王「指揮官は前に出るがよい」
コルサビウとテ・ジョヨンが目で合図しあう。
ヨン・ゲソムン「聞こえんのか、早く出よ」
コルサビウが目で合図。
テ・ジョヨンが前に出て、挨拶する。
王「面を上げよ」音楽スタート。
ヨン・ゲソムン、スギョンの驚いた顔。
ケジン、ブも驚く。
ケジン「あ・・・あれは・・・」
ブ「奴です。ケドンという者です」
「そんな、有り得ない・・・」
「所属と職位は?」
「私はケドンと申します。大莫離支邸の奴婢でした」
「私の奴婢に違いありません」
「朕も思い出したぞ。大宴の時、大莫離支を刺客から守った者か」
「さようです」
「まことに、驚き感動したぞ。国を救った英雄が賎民とは。ははは、ケドンだな?」
「はい、陛下」
「褒美を与え、民の手本にさせよう」
「陛下、じきに論功行賞が行われます。彼の褒美もその時にお決め下さい」
「論功行賞に、彼らも参加させなさい」
「はい、陛下」

「ケドンがテ将軍の子と分かれば、将軍の立場が悪くなります」
「ヤン将軍がここに来る前に、何とかせねば」
「ヤン将軍もケドンがジョヨンだと知ってるはず」
「逆賊と疑われるゆえヤン将軍も言えまい」
「その方がましかも。皆、口を閉ざし、秘密にするのです」
オン・サムン「長続きしないぞ。大莫離支、いっそケドンを、密かに殺しましょう」
チ・ミョンチョン「ならんぞ、遼東と平壌に分裂が生じる」
「だから、こっそり殺すのです」
「ならん」
「もういい。この件は私が何とかする」
「ですが」
「殺すにしても私が殺す、口出し無用だ」
「大莫離支、ナムセン様の消息はありませんでした」

家臣たちの会議。
ケジン「まったく、ケドンが国の英雄となり戻るとは」
「その母を殺した我らは、今後どうすれば?」
ブ「ご心配には及びません、ジョヨンは、一生隠さねばならない名です。大莫離支もヤン将軍も、その名を呼べますまい。テ将軍さえ自分の子と言えないでしょう」
「だが、陛下は論功行賞のとき、褒美を与えると言われた」
「大莫離支が望まねば、免賎か下級武士が関の山です」
ソンギョム「一理ある話です。いくら頑張っても我らを脅かせまい」
「さようです、奴の登場に驚きましたが、杯の中の虱(しらみ)は、小さな嵐のようなものです。何のことはない」

コルサビウとテ・ジョヨンが歩いている。
「何か心配事か?」
「大莫離支に会ったとき、私が間違っていたと悟った。戻るんじゃなかった。遼東へ行くべきだった」
「今からでも行こう」
「お前は褒美をもらわねば」
「私には無意味なものだ。望むなら共に脱出しよう」
コム「もう遅い。ヤン将軍が来た。大莫離支邸へ行け。そなたをお呼びだ」

ヨン・ゲソムン邸。
「大莫離支、お元気でしたか?」
「そなたの噂は、戦中でも聞こえた。大きな功を立てたな」
「ですが、高麗城を守れませんでした」
「代わりに高句麗を守るのに役立った」
「そう言ってくださり、身に余る光栄です」
「大将軍よ」
「はい」
「誰よりも、そなたに感謝したい。将軍でなくば、この戦を勝利に導けなかった」
「私もこの戦と関連して、お話がございます」
「そうか、話してみよ」
「どうか、お人払いを」
「人払い? 二人だけになる機会はいくらでもある」
「ですが・・・」
「外におるか? 通せ」
フクスドルがテ・ジョヨンをつれてはいる。
「この戦でケドンは、大きな功を立てた」
「私がイジョクの軍を防げたのも、あの者の送った密書のお陰です」
「陛下も彼に興味深々だった。大勝を収めたのだ、無理もない。ケドンの主は私だ。子供の頃から私が育てた。奴婢であってもとても嬉しく思う。皆に自慢したかった。だから呼んだのだ。もう下がれ。それと、今日から太学ではなく、ここで過ごせ」
「はい」
「昔から、何より恐ろしいのは論功行賞と言う。誤った恩賞や褒美は災厄となるからだ。杞憂だろうが、勝利に浮かれて、功を立てながらも災いを呼ぶなよ。そんな事は有り得んがな」

太学。
「人払いを拒否なさった。大莫離支は、無言の脅迫をしています」
「将軍、この件を案じるのはおやめ下さい。彼が私の子ということを隠せば、それまで」ヤン将軍「そうはいかない、そなたらは、これまで苦しみを味わった。親子二人の足かせは私が解く」
「しかし将軍、大臣たちがこの事を知れば、大莫離支も防げません」
コム「さようです。先手を打ったのもそのためなのです」
「いっそ、ジョヨンと遼東へ戻りましょう」
「そうなさいませ。将軍が我らのせいで苦しむのは望みません」
「ならん、ジョヨンはもっと大きな事をするべきだ。このまま戻れば、後日、この足かせが前途を阻む。今、解かねば、後々まで後悔するぞ」

寝巻き姿のヨン・ゲソムン。
「大将軍の言うとおり、ケドンがこの国を救った。恐ろしいことだ。どうする・・・? 様子を見るか、今のうちに芽を摘むべきか。高句麗のためには、どうすればよいのだ?」
胸を押さえて苦しむ。
「将軍、フクスドルです」
「入れ」テ・ジョヨンが入る。
「座れ。お前が立派になるとは夢にも思わなかった。手柄に応じて褒美も取らす。望みがあれば言え。論功行賞が行われれば、陛下もこう聞くだろう。いいから言え」
「私を一生ケドンでいさせて下さい。親や身分を決して明かさないで下さい。私の望みは、それだけです」
「お前は、自分の名前を取り戻すと言って、旅立った。功を立てたゆえ、望むならそれも叶うだろう。なのに、なぜ気が変わったのだ? 私を試すつもりなら無駄なことだ。何を企んでいる?」
「広い世に出て、多くのものを見て経験しました。遠い地で高麗城を守るために、青春を捧げたものや、国のために命を惜しまぬ百済の流民にも会いました。そして、名もなき地で死んだ多くの兵の怨魂にも。彼らに比べれば、私の望みなど恥ずかしいものでした。私はこの国のために、微力を尽くせただけで満足です」
「お前の志は立派だが、それだけではあるまい。自分の正体を隠す真意は何だ?」
「私のせいで、大勢の人が苦しむこと、それが恐いのです。父だけでなく、育ててくださった大莫離支もです。ヤン将軍も遼東城も皆そうです。愚かにも今やっと分かりました。知っていれば、ここに戻ってきませんでした、大莫離支、ケドンでいさせて下さい。私のせいで国を分裂させたくないのです。信じてください。私はテ・ジョヨンになりたくない」
ヨン・ゲソムンの心の声「私の知るケドンではない。この胸をときめかし、私の心を鷲掴みにするとは・・・信じられぬほど成長したものだ」


フクスドル「お前、よりによって、俺様の獲物を奪うとは一度ならず二度も。俺の功を横取りか。お前を思い出すと腹が立ってたまらん。よし、何にする? 剣か? 拳か? よし、拳だ。俺の気が済むまで、お前の顔を殴ってやる、何を見てやがる、この・・・」
そこへ、ナムセンとシン・ホン。

フクスドル「大莫離支、もう死んでも悔いはありません」
ヨン・ゲソムン「一体、何を言っておる?」
「だんな様が、ナムセン様が・・・生きて戻りました」
部屋を出るゲソムン。

ナムセンがひざまずいている。
「父上、父上、私を殺してください・・・死ぬなら、父上の手にかかり死にたい、早く、私を殺してください・・・」
「立て。お前のせいで、高句麗は危機に陥った。その罪は、明々白々、死罪にも値する」「父上、父上」
「ナムセンよ、この度の敗北を毒に変えろ、その毒を骨に刻めば、今度、当の侵略からこの国を守るための良薬になる」
「父上」
「恥ずべきは敗北ではない。その敗北から立ち直れない事だ。だからもう卑屈になる事も恥じる必要もない。むしろ堂々ど振舞え。いいな?」
「父上」

ペ江・浦口。
契丹軍が座っている。
「将軍、食べ物です、船の到着は未定です。まず腹ごしらえしないと・・・泣いてますか?」
「いいや、誰が・・・」
「将軍が・・・涙するなんて」
「違うと言っただろう」
「いいえ、確かに泣いていました」
「まったく・・・、誰が・・・泣くもんか」
「将軍を支えられず、申し訳ありません。将軍が泣くとは、天下のソリンギ将軍が・・・」
「違うというに。その・・・誰が泣いたのだ?」
「あの・・・まずは、これを・・・」
「お前が食え。この私は、泣いた事がない、だが、泣いてないのに、なぜか涙が出る。あまりにも無念で、悔しくて、黙っていても涙が出る、そうだ、泣いて出るのは涙だが、黙って出るのは、血の涙だ、このソリンギ、血の涙は流しても、涙は流さん。ポンペよ、私は、この川にもう一度誓うぞ。また戻る時は、その時は、必ず高句麗を滅ぼしてやる。ソリンギの手でな」
「そうです、必ずそうなります」

イ・ヘゴのところにチョリンがくる。
イ・ヘゴ「自分が許せない、自分があまりにも惨めで卑怯で耐えられぬ。もう隠せない、全部言う。私のせいで負けたと・・・」
イ・ヘゴの口を押さえるチョリン。
「兄上が死ねば、私も死ぬ。共犯だから。何よりも私が大事だな? 私もだ。兄上を一生そばに置く。こんな事で大事な人を失いたくない。我らは戦に負けただけ。次に勝てばいい。二人で協力すれば、何でもできる」
手を握り合い、抱き合う。

平壌城。
王「褒美を与える場なのに、皆、表情が険しいようだ」
ヨン・ゲソムン「長い戦を終えたばかりです。高句麗の誰もが疲れております」
王「皆、渾身の力を尽くしたからな。ところで、朕が呼べと言ったあの兵は?」
チ・ミョンチョン「外で命令を待っています」
「中へ通せ」
サブク「(かしこまって)中へ通せ」
テ・ジョヨンが入る。
挨拶するテ・ジョヨン。
「ケドンだな?」
「はい、陛下」
「以前、お前は、刺客から大莫離支を守った。それは高句麗を救ったのと同じ事だ。そして、今度は戦で決定的な功を立て、敵将の首まで取ってきた。いかなる褒美でも惜しくはない。皆聞け」
「はい、陛下」
「朕はケドンに副模達の位を与え、宮殿の警備を任せる」
一同、驚く。
ブ・ギウォン「陛下、副模達は武将の位です。奴婢を将軍にするのは妥当ではありません」
「さようです、人事は原理原則に従うべきです。今度の事はあまりにも破格です」
「命令の取り下げを。免賎して下級職位を与えるのが妥当です」
「大模達ヤン・マンチュンが申し上げます」
「話してみよ、さあ、早く」
「大臣たちは、奴婢が武将になる事を憂慮しています。その事が問題なら、心配は無用です。ケドンは賎民ではなく、テ将軍の息子です」
「テ将軍の息子だと?」
ブ「陛下、それが事実なら大逆罪に値します」
ケジン「さようです、テ将軍の息子は、不敬に生まれた罪で死ぬべき子です。それが大莫離支の奴婢になるとは、まったく・・・」
「これは謀反です。いくら何でも・・・」
「いいえ、陛下、大莫離支は知らぬことです」
「陛下、罪を問うなら、私からお斬り下さい」
「どういうことだ?」
「私が、私こそが、ケドンを生かした張本人です。ですからこの私から、お斬り下さい。早くなさいませ」


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