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テ・ジョヨン第20話

第20話

平壌城。
ヨン・ゲソムン「陛下、罪を問うなら、私の首からお斬りください」
王「どういうことだ?」
ゲソムン「私こそが、ケドンを生かした張本人です。ですから罪を問うなら、この私からお斬りください」
王「テ将軍の子は処刑されたと聞いた。それが生きていたとは。なぜ生かしたか、包み隠さず説明せよ」
ヨン・ゲソムン「最初から、彼には何の罪もありません。ですが、大臣たちが逆賊の運命などと言って、彼ら親子を殺そうとしました。ですがそれは、遼東の武将を窮地に追いやり、自身の立場を強めるための。見え透いた策です」
「言葉が過ぎますぞ。見え透いた策などとは」
ケジン「陛下、帝王の運気は、死に値する大逆罪です」
「そうです」
「死に値する大逆罪人がこの国を救ったのだ。何が逆賊の運命だ。むしろ彼らを貶め、国論を乱した者こそ、大逆罪人と言える」
ブ「これは、大変な謀反です。惑わされますな」
「全ての決定は、陛下のお心次第です。彼らを生かしたのが罪なら、今すぐ我らを処刑してください。そうでなければ、今この場で陛下が、テ将軍の恨めしい足かせを解いて下さい。解いて下さい、陛下」
「解いて下さい、陛下」
ケジン「なりません、復権させてはなりません」
「分かった、もうやめい。過去の事で国力を費やす余裕はない。国論をまとめ、紀綱を立てねばならん。そのためにも、テ将軍のような者たちを重用すべきた」
「ですが・・・」
「彼らを逆賊とした者も、守ろうとした者も、忠誠心のためにした事だろう。ケドンよ」「陛下。ケドンの本名は、テ・ジョヨンです。名を取り戻してください」
「皆聞け」
「はい陛下」
「今この瞬間から、ケドンは存在しない。お前はテ・ジョヨンだ。朕がその名を許そう」
「陛下・・・皇恩の極みにございます」
「皇恩の極みにございます」
サブクの引きつった顔。

ヨン・ゲソムンとヤン将軍がテーブルを囲んでいる。
ヨン・ゲソムン「うまい茶だな。ジョヨンを連れて行かず、ここに残せ。遠い辺境の武将にするには惜しい。ここに置くのが、彼のためにもなる」
ヤン将軍「この平壌城は危険が多すぎる。五部家の臣下も快く思わぬだろう。下手をすれば、権力闘争の口実にされる」
「政治は腐った所ほど、学ぶものが多い」
「だが、腐った雰囲気にも毒されやすい」
「心配するな。老いていても、ジョヨン一人ぐらい・・・(急に咳き込んで苦しむ)」
「大丈夫か? 誰かおらぬか?」
「騒ぐ事はない」
「だが冷や汗が・・・」
「大丈夫だ、気力が衰えただけだ。少し休めば、すぐ良くなる」

太学。
ヤン将軍一同の会議。
テ・ジョヨン「平壌城に残ります」
テ・ジュンサン「それは駄目だ」
テ・ジョヨン「父上。これまで奴婢の視点で平壌を見てきました。今後は、テ・ジョヨンとして、平壌を見たいのです。許可を・・・」
テ・ジュンサン「駄目なのだ。もう口にするな」
「将軍」
ヤン将軍「私もテ将軍と同感だ。大莫離支がそう言っても、ここは危険だ。明日遼東へ帰るぞ」

テ将軍親子が廊下を歩いている。
テ・ジョヨン「ひとつ質問があります。なぜ母上の墓に行かないのです? その他にも、母上が誰に殺されたか、一言もお聞きになりませんでした。一体なぜです?」
「ブ・ギウォンを見た時、剣を抜きたかった」
「父上もご存知で・・・」
「母を殺したものへの敵討ちか? 平壌に残る理由はそれか? 母の死は忘れろ。それと、私的な復讐心もだ」
「母上は、非業の死を遂げました」

ケドンと母がブ・ギウォンとサブクに拷問されているシーンの回想。
ブ「しぶとい女だ。見たか? これ以上続くと母親は、死んでしまうぞ」
「私がもし、そのテ・ジョヨンなら・・・目の前のあの人が母親なら・・・私はいつか、必ずお二人に復習します」
「き・・・貴様」
「この数百倍の苦しみで、凄絶な報復をします」
「貴様」
ブは焼きこてをとる。
「ケドンでもジョヨンでも、よく見ておけ。そうしてこそ、数百倍にして返せるだろう?」
焼きこてを気絶している母親に押し付ける。立ち上る煙。
泣き叫ぶ母親。歯を食いしばるケドン。
回想シーン終わり。

「あの恨みを忘れることなど、私にはできません。必ずこの手で母上の敵を討ちます」
「それを、母が望むと思うか? 私的な復讐のために、大莫離支とヤン将軍がお前を助けたと思うか? 忘れろ、忘れられなくば、お前はただの役立たずだ」
「父上」
「私が、母の死を聞かなかったのは、自分の心を抑える自信がなかったからだ。ブ・ギウォンを殺し、タルギの後を追いたかった。だが、お前のため、お前のために堪えたのだ」「父上」
「怒るのは、容易いが、堪えるのは難しい。さらなる大事のため、そのために、自分自身を抑えろ」
「忘れます。全部・・・忘れます」
「ジョヨン、晴れて、堂々と息子と呼べた・・・我が息子をジョヨンと呼べたぞ」
「父上・・・」
「ジョヨン・・・」
二人涙。
「父上」「息子よ」

サブクが報告をする。
「皆、遼東へ帰ったか?」
「ケドン、いや、ジョヨンは残りました」
ケジン「残った? では副模達として、宮殿警備に?」
「そうです」
「職位はどうでもいい。大莫離支の最側近になったのが問題です」
「側近と言えども、執順が関の山だろう」
「ならば問題はありません。しかし―ーどうも雲行きが怪しい」
「一体、何がだ?」
ブ「大莫離支には、息子が三人います。ナムセンは戦で大敗をして、父の名誉を傷つけ、次男のナムゴンは、父の怒りを買い、数百里も離れた寺にいます。末のナムサンは幼く病弱で、影の薄い存在です」
「ならば、大莫離支は自分の後継者として・・・ジョヨンを?」
「馬鹿な、絶対に有り得ん」
「有り得ぬ事が実際に起きました。現に大莫離支が彼を生かしたのです。油断は禁物です。もし大莫離支が、奴を後継者として考えたなら・・・」
サブク「早く消さねば・・・」
うなずくブ・ギウォン。

長安城。
皇帝「なぜに我が唐は、高句麗に勝てぬのだ? なぜだ?」
「皇帝陛下、我らを処刑して下さい」
「処刑して下さい、陛下」
「近く鞠問を開き、敗戦の責任を徹底的に問うぞ。地位を問わず、罪状によっては、斬刑も行う。いいな?」

則天武后「何? 鞠問を?」
「そうです。御自ら敗戦の原因を探るとか」
「鞠問? 鞠問か・・・」
「皇后陛下、ソリンギ将軍です」
「通せ」
ソリンギ「皇后陛下、(ひざまずく)皇后陛下」
「それで、鞠問に対する皆の反応は?」
「反応はともかく、どうしましょう? 鞠問が始まれば、まず私の首が飛ぶでしょう」
「総司令など申し出るからだ」
「悔やまれます。平壌城を見たら、理性を欠いて…」
「陛下はお怒りです。手の施しようがない」
「では、私に死ねと言うのですか?」
「私も危うくなるかも…」
「皇后陛下、戦場で死ねと言われれば、死にます。ですが、斬刑とは、無念で死んでも死に切れません。それでも、ヨン・ゲソムンを射たのです。無駄死にさせないで下さい。皇后陛下だけが頼りです。一人でも多くの敵を倒させて下さい。皇后陛下」
「しばらく隠れるところはあるか?」
「え?」
「にわか雨は避けねば。うまくやり過ごせば、機会が来るかも」
「ですが、それは、皇命に背くこと」
「私が何とかする。しっかり隠れるがよい」
「皇后陛下、ありがたき幸せ…」
「どう考えても、ソル将軍ほどの者はいない。だから助けるのだ。いつか共に大きな事を起こすと信じておる」
「皇后陛下、さようです。このソリンギ、皇后陛下に忠誠を誓います」
「無論です、じきに役立ってもらう時が来る。じきに…」
「はい、皇后陛下」
ソリンギ退出。

ソリンギ「いやはや困った…一体どこへ…どこへ隠れよう?。こら、考えろと言ったのに、居眠りか?」
ポンペ「違いますよ…将軍、イ・ヘゴとチョリンが変です」
「何が?」
「考えてください。機密を知っていながら、生還できたのです」
「そうか、そうだ。イ・ヘゴとチョリン…おい、私も知っていた。そうだ、奴らがしゃべったのだ。直ちに支度せい、今すぐヨンジュへ行くぞ。敗戦の元凶をこの手で捕らえてやる。そうしてこそ、お前も私も助かるのだ。早く支度をせんか」
「え? はい、将軍」
「イ・ヘゴ、チョリン。この・・・あいつらめ」

契丹の部族長の部屋。
イ・ヘゴ「お呼びですか」
チョリン「父上」
部族長「今、唐では、敗戦の責任を問う鞠問中だ。もうすぐだ、鞠問の余波が押し寄せて来るだろう」
「我らも犠牲を払いました。復讐はお門違いです」
「だが、敗因が契丹にあるなら、事情は変わる。私の考えが正しいなら、敗戦は―ー気・ヘゴのせいだろう」
「兄上のせいだけではなく」
「私は、見て見ぬ振りをしようとした。いつか我らも、高句麗や唐のように歴史に残れると思ったからだ。だが、もう、見ぬ振りはできん。イ・ヘゴ」
「はい」
「お前を殺したくない。部族を去れ」
「父上」
「どう考えても、道はそれしかない」
「私が逃げても、解決にはなりません。もし責任を問われたら…」
「それは、可汗の私が解決する」「しかし」「今すぐ行け。これは可汗の命令だ」
「可汗」


ヨン・ゲソムンの寝室で、ヨン・ゲソムンがうなされている。
李世民が、ヨン・ゲソムンの胸に槍を突き刺す。
ヨン・ゲソムン「(槍を手で押さえながら起きて)何者だ?」
「知らんのか? 朕は唐の皇帝、李世民だ」
「な…貴様は…」
「覚悟(さらに槍を刺す)貴様に奪われたのは、目だけじゃない。天下を従える夢も、生涯積んできた名誉と誇り、そして命までお前のせいで失った。ヨン・ゲソムンのせいで(さらに突き刺す)」
「うわー、李世民・・・李世民め」
「もうすぐだ、お前が死ねば、高句麗は牙の抜けた虎になる。天に二つの太陽は有り得ぬ。我が唐が、必ず高句麗を滅ぼしてくれるだろう」「黙らぬか」「あの世で、唐の復讐をしかと見るがよい。この地の高句麗の跡はすべて消す。王宮を焼き払い、民を奴隷にしてやる。先年の間続いたお前らの傲慢な歴史を、すべて壊してやる」
「今すぐ、その口を…口を閉じるがよい…」
「後世、お前らには何も残らんだろう。この国も領土も、民や歴史に至るまで、すべて唐のものになっているだろう」「貴様…」「もうすぐだ、お前が死ねば、すぐそうなるぞ、ゲソムン」「李世民…李世民、貴様…」「ゲソムン…!」
「(ベッドに寝ているヨン・ゲソムンが、とび起きる)李世民、李世民め…」
テ・ジョヨン「大莫離支、大莫離支、何事です?」テ・ジョヨンが飛び込んでくる。
「いや…何でもない」
「大莫離支、胸に…血が…」
「ん?(慌てて隠す)何でもない、気にするな。こうしては居られん。今すぐ宮殿へ行くぞ」「まだ夜明け前です」

宮殿。
「大莫離支ヨン・ゲソムン、陛下にご挨拶を」
ポジャン王「よく来た、大莫離支」
ナムセン「太大兄ヨン・ナムセンもご挨拶を」
「太大兄、負傷したそうだが、元気になって何よりだ」
「心配をおかけしました」スギョン姫の顔アップ。
ゲソムン「陛下、どうか人払いを。お話があります」
「皆、下がれ」

テ・ジョヨン達兵士が、待機している。
スギョン姫が通る。
スギョン姫「私を…覚えてる?」「はい」
「私は、あなたに二度も救われました。最初は、崇武大宴の時で、次は戦中のことです。そなたがいなければ、私は唐の人質になっていました」
「申し訳ありませんが、存じぬことです」「構いません。あなたに礼を言ったら、少しは心が軽くなりました」「恐縮です」

宮殿。
王「私兵革罷?」
ゲソムン「貴族の所有する私兵を撤廃します」
「私兵の所有は、昔から続く五部家貴族の固有権限だ。この事で大臣たちと衝突したら…」
「大臣たちは、前の戦でも唐との和睦を求めた輩です。唐征伐に兵を出せと言っても、出さないでしょう」
「唐の征伐? 唐の征伐と言ったか?」
「唐は今、敗戦で最も弱っています。天が与えた最後の機会です。陛下、時間がありません、高句麗の安全のためには、唐を滅ぼすしかないのです。そのために、私兵革罷から始めねばなりません」「大莫離支…」「心配には及びません。この私が何とかします」

ヨン・ゲソムンの一団が、ブ・ギウォンの一団と出くわす。
ゲソムン「急いで、どちらへ?」
ブ・ギウォン「大莫離支に会いにです」
「今、帰るところだ」
「唐征伐のために、私兵を撤廃なさるとか」
「おや・・・今、陛下に申し上げた事を、なぜ知っている? そうか、我らが外で敵を防ぐ間に、大臣たちは宮殿を掌握したか」
ケジン「私兵の所有は、五部家の権威を示すものです。なのに―ーそれを無視するのですか?」
「権威? 権威と言ったか? よく聞くがよい、国があってこそ、貴族が存在できるのだ。我らを虎視眈々と狙う唐を打ち破ろうと言うのに、権威のために異を唱える気か?」
(コシタンタン、イコグリョ)
「しかし…」「国家のためだと言った。不満ならば、正式に異を申し立てよ。国の前では、臣下がどれだけ小さな存在か、思い知らせてやる」
ケジン「やれやれ」「行くぞ」「な…なんという…まったく…」

テ・ジョヨンに抱えられるように部屋に入り、椅子に座るゲソムン。
「大莫離支、大丈夫ですか?」
「大丈夫だ、疲れが重なったようだ」
「やはり、医師を呼んできます」
「いいのだ、水を持って来い。喉が…、喉が渇いた」
「はい」
ヨン・ゲソムンが突然咳き込み、血を吐く。
「大莫離支、誰かいるか? 医師を呼べ」
「呼ぶな。誰にも知らせるな」
「大莫離支…でも医師を」「駄目だ、お前の他に知られてはならん。誰もだ…」
「大莫離支、大莫離支」さらに咳き込むヨン・ゲソムン。

医師を連れて、路上を歩くコルサビウ。
サブクが物陰から見ている。

ケジン「唐を征伐するなんて、馬鹿な。その話を信じる奴がどれだけ居る?」
ソンギョム「口実です、我ら貴族を弾圧するための陰謀です」
ケジン「一体、どうする? これでは五部家の貴族は消えてしまう。手を拱くわけには行かんぞ」
ブ「その真意はともかく、唐征伐は無理です。飢饉で食糧もないのに、徴兵して食糧まで取るとは、臣下はもちろん、民や陛下も同意しないでしょう」
ケジン「だが、誰が大莫離支を止められる?」
「ただ一人います。高句麗の大模達ヤン・マンチュン」「ヤ…ヤン…」
「ヤン将軍だけが、大莫離支を止められます」
「ヤン将軍を動かす策は?」
「この私が、将軍を動かしてみます」「そうか」

夜、ナムセンの行く手をさえぎるコルサビウ達。
ナムセン「貴様ら、私を知らぬか、早く、どけ」
コルサビウ「誰も通すなとの命令です」
「貴様、私は大莫離支の長男だ。私を塞ぐとは」
テ・ジョヨンが前に出る。
ナムセン「ケドン、貴様…何事だ? 父上に会う、道を開けろ」
テ・ジョヨン「お引き取りを」
「何? 死にたいのか?」
「大莫離支の命令です、通せません」
「貴様…」
フクスドル「この…生意気な」
全員剣を抜く。
ソン・ホンが見ている。
ナムセン「一体なんだ? 父上に話がある」
「申し訳ありません」「それでもか…」
フクスドル「貴様ら…」コルサビウも剣を突きつけている。
引き返すナムセン。

ベットで寝ているゲソムンを診察する医師。
「容態は?」
「矢じりが肺に刺さった」
「肺に?」
「鉄の毒気が回っている。手の施しようがないくらいだ。ひどく痛いはずだ」
「どうなります?」
「もう薬も無駄だ。痛みを和らげる程度しか…」
「本当に方法はないのですか?」
「このままでは、あまり長くないようだ」
ゲソムン「誰が死ぬだと?」
「大莫離支」
「私はもう治ったぞ」「下がれ」「はい」医師は、下がる。
「ジョヨン(手招き)」
「(目配せして)殺せ。知られては駄目だ。すぐに後をつけて殺せ。何をしておる、早く行くんだ」
頷き、テ・ジョヨンが外に出る。

医師が歩いている。
テ・ジョヨンが立ちふさがる。
「た・・・助けてくれ、決してしゃべらないから(座って、手を合わせる)、助けてくれ。秘密にする、頼む、助けてくれ」
ためらうテ・ジョヨン。医師は立ち上がって逃げる。
コルサビウが医師を切る。
テ・ジョヨン「罪もない人だ」
「生かせばお前が死ぬ。お前を助けるために、ここに残ったのだ」

ヨン・ゲソムンの部屋の前で様子を伺うテ・ジョヨン。
「ジョヨンか?」「はい」「入れ」
「灯を点けます」「いいから、座れ。殺したか?」「はい」
「鉄の毒気が回っただと? ふふふ…、憂いほど強い毒はない。国を憂いて、すでに「私の体は蝕まれ尽くした。鉄の毒気など何でもない、ジョヨン」「はい」
「私の怪我を知る者は他にいるか?」「いいえ」
「そうか、それならいい。貴族が所有する私兵の規模は調べたか?」「はい」
「帳簿を見せろ」「今はお休み下さい」「時間がない、分かるな?」「ですが」
「高句麗から私が消えれば、唐が何を考えると思う? 大臣どもは未だに、唐と和睦を結べば、平和になると信じている。だが、私は、決して奴らを信じない。奴らは、この地で千年暮らした我らを脅かしている。生きている内に、奴らを滅ぼしておくのだ」
「大莫離支…」
「だが、大臣どもは、自分の利益しか、眼中にない。だから不満なのだ。長引くほど不満も募るだろう。そうなれば、唐征伐に支障ができる。早く帳簿を」

宮殿。
王「大模達に命令を?」
ブ・ギウォン「はい、陛下。ヤン将軍を動かせるのは陛下だけです。大莫離支を止められるのは、大将軍だけなので、結局は陛下が止める事になります。ここ数年、凶作が続いています。無理に戦を起こせば、今度は負けてしまうでしょう。国が滅びます。陛下が防ぐのです。ヤン将軍に親書をお送り下さい」

ヨンジュ。
契丹の陣営。
「ようこそ、将軍。急にお越しとは…」
ソリンギ「ところで、可汗は、どうも私が煙たいようだな」
「とんでもない、宴を開くので、思う存分くつろいで下さい」
「ところで、イ・ヘゴはどこだ?」
チョリンびっくり。
「裏切り者のイ・ヘゴはどこにいる?」
ソン・マニョン(部族長の義弟)「あの…将軍」
「今、唐では、戦の敗因探しに血眼になっている。イ・ヘゴのせいで負けたと知れば、契丹族は滅亡を免れんぞ」
部族長「イ・ヘゴのせいで負けた?」
「すべてお見通しだ、だから奴を早く出せ。この手で奴を長安城へ押送する。そうすれば、ここは安全だろう」
「イ・ヘゴは…ここにいません」「いない?」「逃げました」
「逃げた? 逃げただと?」
「将軍、もう同族ではありません。お怒りを静めてください」
「すぐに追撃隊を出せ。そして奴をここに連れて来い」「将軍」
「重ねて言うぞ。奴の首でなくば、敗戦の責任を契丹族に問うことになるぞ」
イ・ヘゴ「(入ってくる)契丹に罪はありません」
チョリン「兄上」
「すべては、私のせいです」「兄上」
部族長「姿を見せるなと言ったのに、なぜ戻った?」
「私のせいで、一族を危険に晒せません。私を殺す代わりに、契丹の安全を保証してください」
「私は、お前を信じた。なのに、他でもない―ーお前が裏切るとは」
「今度も私を助けるためでした。私も罰を受けるべきです」「チョリン」
「兄上一人に、罪を問うのは、あんまりです。一人では死なせません」
「イ・ヘゴとチョリンを、すぐに投獄せよ。夜が明け次第、長安城へ押送する。早くしろ」

牢屋。
イ・ヘゴ「無駄なことをしたな。私が死ねば、全て終わるのに」
「残った私はどうなる?」
一人の男がくる。
「可汗の命令です、さあ、早く」「先に行け」「兄上は?」「お連れしろ」

イ・ヘゴが通路で守り刀の宝刀を確認する。

ソリンギの部屋に入るイ・ヘゴ。
「何…どうやって出た?」
宝刀を捧げ持つイ・ヘゴ。
「命と同じくらい―ー大切な宝剣です」
ソリンギ、宝剣を手に取る。
「どういう意味だ?」
「私を高句麗に送って下さい。ヨン・ゲソムンの首を取ってきます。私のせいで、高句麗を滅ぼし損ねました。私の命では購えぬほど、罪が重すぎる上、私の誇りが許しません。私の命はすでに将軍の手中です。その宝剣で大逆罪として罰するか、もしくは、私を高句麗に送って下さい」
「いい宝剣だな。その誇りのせいで…私も死ねずにここまで来た。以前に私もヨン・ゲソムンを殺しに行った。だがその時は運に見放された。目の前で殺し損ねたからな。よし、平壌城へ行け。そしてヨン・ゲソムンを殺せ。それが高句麗を滅ぼす道だ、それまで、この宝剣は預かろう。イ・ヘゴ、覚えておけ、お前の手に、この私の命と契丹族の運命がかかっている」「肝に銘じます」
チョリン「私も行きます。私も高句麗へ行く」

安市城。
「陛下からの親書です」
ヤン将軍が手紙を読む。
「大莫離支が、唐征伐を計画している」
コ将軍「な…唐征伐を? よりによって今?」
「無理な徴兵に軍需品も徴収している。民の生活は破綻しているそうだ」
テ・ジュンサン将軍「では…陛下は?」
「私に唐征伐を防ぐ方法を問うておられる」
コ「今、唐を攻めるのは無茶です」
「守備を中心に、軍を再編するのが先決です」
「大莫離支に返事を。こちらの話を聞けば、考え直すはずです」
「そうです、他人はともかく、将軍の話はお聞きになるでしょう」

ヨン・ゲソムン「(テーブルをたたく音)五千だと? 貴族の出した兵がたった五千だなんて」
「大莫離支。ここ数年、ひどい凶作続きです。私兵は農作にも携わっています。おいそれと徴兵しては…」
「そんなの言い訳だ」
コム「彼らがいないと城の食糧はなくなります。それでなくてもひどい飢饉で…」
「(テーブルをたたく)私を説得するな。ここに書かれた私兵は五万にのぼる。いいか? このすべてを徴兵せよ」
ヨン・ゲソムンが退出する。
チ・ミョンチョン「どう見ても、以前の大莫離支ではない」
オン「顔色といい、眼差しといい…、何か大きな変化があったのだ」
イ・ギウ「悪い予感がする…大きな嵐が吹き荒れそうだ」

五部家。
ケジン「朝廷の内外で噂が絶えぬ。大莫離支が正気でないという噂だ」
サブク「ひとるつ・・変なことがあります。前に大莫離支に呼ばれた医師が殺されました」「何?」「犯人は?」「分かりません」「何か変だな」「遼東のほうで何か動きは?」
サブク「まだ何も」
ブ「ヤン将軍と対立させるには、大莫離支に従いましょう」
ソンギョム「言われたとおり、我らも兵を出そう」
ブ「もしかしたら、災いが福と転じるかも…」

ヨン・ゲソムンが一人で書類を見ている。
「大莫離支、ナムセン様です」
「通せ」
テ・ジョヨンとナムセンが入る。
ナムセン「お前は下がれ。聞こえぬか」
「いや…そのままでいい。執順は私の影のようなもの。身の回りは固めないと。それで、この夜更けに何だ?」
「今までは謹慎していました。そのため、今日初めて唐征伐の話を聞きました」
「それで?」「皆の不満が多く、民心や名分まで失ったら…」
ゲソムン「(テーブルをたたく)国が唐に滅ぼされたら、目を覚ますのか?」
「そうではなく、ただ時期が悪いので…」
「一刻の猶予もないのに時期が悪い? お前も唐にこの国を渡すつもりなのか? 凶作を口実に唐征伐に反対する気か?」
「いいえ、違います」
「この目に土が入ろうとも、高句麗が唐に蹂躙されるのは許せん。征伐に反対する者は、皆消してやる。それが王であれ、息子であれ、この私が許さん。皆殺してやる。皆、殺してやるぞ」


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