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テ・ジョヨン24回目

第24回

ヤン将軍が椅子に座ってじっと見ている。

ヨン・ゲソムンが、刀を振り上げる。
ゲソムン「貴様」
李世民ではなく、ヤン将軍だと気づく。
ヤン将軍「ずいぶんと深く眠っていたな」
ゲソムン「どういうことだ? 私は捕虜になったのか? それとも…」
「初めて会った時から、私はそなたの虜になりたかった。ヨン・ゲソムンと一緒なら、できぬ事はないと思った。もう50年も前の事だ」
「そんなお前が、よくも私に背けたな」
「私は背いていない。まだその時ではないと言うのだ―ー」
「時…時だと?(咳き込む)」
「まず体を治せ、その後で…」
「なぜ分からぬ?」
「時間がない、唐を滅ぼさぬ限り―ー私は死んでも死に切れん。時間がない。選べ。私に従うか、それとも…」
「いかん、誰かおらぬか、医師を…」
ゲソムンがヤン将軍を抑える。
「従わないなら、ヤン・マンチュンでもこの場で殺すしかない。早く答えるのだ」
深く頷くヤン将軍。それを見て、ほっとして、頷くヨン・ゲソムン。
「唐を滅ぼし、戦のない国を作るのだ。そして、皆が幸せになれる国を成そう」
「そうだ、そうしよう」
「ヨン・ゲソムンとヤン・マンチュンとで50年前に約束しただろう。強くて、他の国に脅かされず、全ての民が幸福に暮らす、近隣の国々がうらやむそんな高句麗を…」
「ああ、そうだとも。作ろう。必ずそんな国を作ろう」
「私が去っても、ヨン・ゲソムンがいなくても、そんな国を作れるだろうか。作れるだろうか。私がいなくても…あの唐から、千年の歴史を持つ高句麗を守れるか?」
「いないだなんて…こうして私の目の前にいるだろう」
「いいや…自分の体はよく知ってる。私も疲れた…」
「我らは、最善を尽くした。今後は、後裔に任せるのだ。我らが…我らの先祖が守ってきたように、我らの子孫が高句麗を守り抜くだろう」
「そうだろうか。本当に彼らが国を守り抜いてくれるだろうか」
「信じるのだ。この高句麗はどんな国だ? 彼らは誰の血筋だ?」
「そうだ。お前の話を聞いて、心が楽になった。昨日の事で民が驚いただろう。安心させるために私が城外まで見送ろう」
「その体じゃ無理だ」
「いいや、国が強くなるには、民心が揺れてはならん。今頃は、どちらかが死んだと不安に思っているだろう。お前を見送る事が高句麗のために私にできる―ー最後の役目だ」

朝日が山の上に輝く。

牢獄の中をコルサビウとテ・ジョヨンが歩き回っている。
コム・モジャムがくる。
テ・ジョヨン「師範」
コム「出せ」
「はい」
「大莫離支とヤン将軍はどうなりました?」
「ヤン将軍が帰るところだ。大莫離支が城外まで見送るようだ。準備せよ」

ヨン・ゲソムンの前で、ヤン将軍一同が挨拶する。
「大莫離支」
頷くヨン・ゲソムン。両脇を、テ・ジョヨンとナムセンが支えている。
ナムセンがヤン将軍の前に進み出る。
ナムセン「お許し下さい。ご無礼を致しました。どうか、お許しを…」
「父上を思う気持ちと考えよう」
「ありがとうございます」

フクスドルが馬を引いてくる。
ヨン・ゲソムンがテ・ジョヨンとナムセンに助けられながら、馬に乗ろうとするができない。
テ・ジョヨンがひざまずく。
「私の背を踏み台に」
驚くヨン・ゲソムン。
「大莫離支」
ヨン・ゲソムンは首を横に振る。
テ・ジョヨンは踏み台になる。
テ・ジュンサンの顔。
ヨン・ゲソムンは驚きながらためらう。
ヤン将軍「早く、馬に…」
ヨン・ゲソムンはコルサビウとナムセンに助けられて、テ・ジョヨンの背に足を乗せ、馬に乗る。
一同複雑な表情。
ヤン将軍とヨン・ゲソムンは馬を並べて先頭を走る。

ケジン「まったく…大莫離支もヤン将軍も無事なら、我らには何が戻る?」
「そんな。昨夜までは、いがみ合っていたのに。たった一晩でこうも変わるとは」
「何たる事だ」
「テ・ジョヨン…奴はどうなった?」
ブ・ギウォン「大莫離支の要望で、平壌に残りました」
「では、大莫離支とヤン将軍は和解したのか…」
ソンギョム「大莫離支が説得されるはずはない。ならば、唐と戦を始めるのか」
「そうです。国は、また戦に巻き込まれます」
「何としても防ぐぞ。今、戦を起こせば、高句麗はもうお仕舞いだ」
「ヨクサル様」
サブクが入ってくる。
「ヨクサル様、大莫離支側の様子が変です」
「武将の他に、位頭大兄ナムゴンも来ました」
「ヨン・ナムゴン?」
「そうです」
「ナムゴンなら、大莫離支の次男だぞ…」
「ヨン・ナムゴン。ナムゴンまで呼ぶとは…まさか」

通り過ぎるコルサビウをフクスドルが捕まえる。
「何を見てやがる。むかついたか? 夜に会おう。勝負しようぜ」
ナムゴンが来る。
フクスドル「(頭を下げる)若旦那」
テ・ジョヨン「(現れて)若旦那」
ナムゴン「父上は? 無事か?」
「待っておられます。早く中へ」

寝ていたヨン・ゲソムンをテ・ジョヨンが助け起こす。
周りには、ナムセン、ナムゴンの他に、大勢の武将たち。
「ナムゴンです」
「よく来た。ナムサンはまだか?」
ナムセン「まだ来ていません」
一同の顔。
ヨン・ゲソムン「今まで、皆ご苦労だった。この身に…授かった天寿は尽きたようだ」
「父上」
「大莫離支」
「私が死んだら、葬儀は三年後に行え。それまでは、秘密にするのだ。三年あれば、戦で失われた国力をほぼ回復できるだろう。そうしてこそ、唐の奴らとまた戦えるのだ。ナムセン」
「はい、父上」
「私に継いで、大莫離支になったら、あの唐を必ず滅ぼすのだ。それが私の果たせぬ夢だった」
「そうします。必ず成し遂げます」
「ナムゴン」
「はい」
「お前の兄を補佐するのだぞ。何があろうとも、兄弟同士で争ってはならん。高句麗が外的を防ぎ通したのも、皆が心を合わせて協力したからだ。内紛こそ、亡国への一途をたどる道だ。私の言葉を肝に銘じよ」
「はい、父上」
「横になりたい。何だか…眠い」
テ・ジョヨンがヨン・ゲソムンを横にする。

ナムセンの会議。
ナムセン「今夜の警備は万全を期し、機密を保て」
「はい、太大兄」
ナムゴン「大臣に知らせないと」
ナムセン「父上の話を忘れたか」
「唐に対しての事です」
「大臣が知れば、国に大きな混乱が生じる」
「隠しても時間の問題です。むしろ共にこの難局を乗り越え…」
「でしゃばるな。私に任せて大人しくしてろ」



チャン・サネ「大莫離支は?」
シン・ホン「お薬をお召しです。出入りを禁じられました」
チ・ミョンチョン「出入り禁止? では誰がお世話を?」

ナムセンとナムゴンの顔。

ヨン・ゲソムンに薬を飲ませているテ・ジョヨン。
「もういい…」
「もっとお飲み下さい」
「もう要らん。もう一口だけでもお飲みを」
ヨン・ゲソムン「(一口飲み、もう一口を手でさえぎり)もういいのだ。薬で治る病ではない」
「大莫離支」
「お前を奴婢にした私が、恨めしかったろう?」
「私を生かすための事でした」
「私もお前のせいで、ずいぶん悩んだ。育てる間は、ひと時も気が休まらなかった」
下を向くテ・ジョヨン。
「すまなかった。お前の母を、最後まで守れなかった。他はともかく、お前の母だけは、助けるべきだった。最後まで守ってやれず、すまなかった」
「大莫離支は、私を生かすために、最善を尽くしました。母も―ー大莫離支に感謝しているはずです」
「お前は、いつか私を父と呼んだな。覚えてるか?」
「はい…」
「もう一度…もう一度だけ、父と呼ばれたいものだ。早く…呼んでおくれ。さあ」
「父上…」
「そうだ、もう一度、もう一度呼んでおくれ」
「父上、父上…(泣く)」
喜ぶヨン・ゲソムン。
回想シーン。
ヨン・ゲソムンが幼いケドンに食事をさせようとしている。
ヨン・ゲソムン「(ひとさじ差し出して)ほら、お食べ。子が飢え死ぬのを望む親はいない」

ヨン・ゲソムンが馬を下りる時、走りよって、踏み台になるケドン。

ヨン・ゲソムンの前に跪くケドン。
「大莫離支、私も大宴に出してください」
ヨン・ゲソムン「命を失うだけだ。下がれ」
「だんな様」
「お前は奴婢だ。夢にも自由など望むな」

ケドン「では、なぜ生かしたのです?」
ヨン・ゲソムン「何を? 貴様…」
「どうせ、私は殺されます。それなら胸の内を全部話します。だんな様は私の―ー父のようなお方です」
「何だと? 父だと?」
「だんな様を、初めて父と呼べました」
回想終わり

「(笑う)お前は私の息子だ。私が育てた息子だ。私はお前を信じるぞ。お前は高句麗のために、偉業を果たせるだろう。ヤン将軍を助けるのだぞ。ヤン将軍に仕える事―ーそれは、私に仕える事でもある」
「はい、そうします。必ず―ーそうします(下を向いて泣く)」
ヨン・ゲソムンは震える手を差し出し、テ・ジョヨンはそれを握り、泣く。

部屋の外では、ナムセンとシン・ホン。
怒って中に入ろうとするナムセンを止めるシン・ホン。
シン・ホン「だんな様」
テ・ジョヨンの声「大莫離支」
大勢がちょうどかけつけ、中に入る。
部屋の中では、テ・ジョヨンがヨン・ゲソムンを抱えている。
「大莫離支…!」
「父上」
「父上! ナムセンです。目を開けてください。父上」
「大莫離支…!」
「父上、目を開けて下さい。父上、ナムセンです」
「父上」

「三国史記」第49巻列伝 淵蓋蘇文編 中。
「資治通鑑」第197巻  貞観17年編 中。
「新唐書」第220巻  列伝145 東夷編 中。
「朝鮮上古史」淵蓋蘇文の征唐 中。
「三国史記」第22巻 高句麗本記 宝蔵王 下編 中。
N「ヨン・ゲソムン。早くから対外強硬論を主張して武装勢力の中心だった彼は、反対する栄留王と穏健派の大臣200余人を殺し、自ら大莫離支となり、高句麗の権力を握った。その後、唐の侵略戦争をすべて勝利へと導き、中原を攻め、遼西を占めたこともあった。山東地方に残る高麗という地名や、北京近くの高麗鎮、高麗城などの跡が、彼の中原征伐を証明している。唐の野望を打ち砕くことで、彼は、高句麗が東アジアの覇権国であることを実力で示した。唐は彼の死から3年後の西暦666年に第三次侵略戦争を起こした。彼がいかに唐から恐れられていたか、うかがい知ることができる」

唐・長安城。
ソリンギとポンペが拷問され、うめき声をあげている。
ポンペ「将軍、将軍」
ソリンギが、気を失ったもよう。
ソ・ジョンバン将軍「水をかけろ」
「はい」
「将軍、将軍」
「続けろ」
「はい」
「待て」
イジョク将軍とソ・ジョンバン将軍がソリンギに近づき、蘇・定方(ソ・ジョンバン)将軍が、ソリンギのあごを棒で持ち上げるが、ソリンギは反応しない。
イジョク「者ども、こいつを穴に埋めろ。何をしてる、もう死んでおる、早く埋めろ」
「はい、将軍」
「違う、まだ死んではおらん。本当にひどすぎます。そんなに大きな過ちを犯しましたか?」
「貴様、皇命に背いて生き永らえるつもりか」
「背いていません。高句麗を滅ぼすために、戦っていたのです。何度言えば分かります?」
「やかましい。陛下はお前の命を我らに預けた。お前は死んだも同然だ」
「そうか、死んだも同然…ならば、言うだけ言って死のう。おい、蘇定方。パンヒョテは壮烈に戦死したぞ。なのに、お前は戦で何をした? お前が拷問できる立場か?」
「何? 貴様…」
「それに、大ソウ管もあんまりだ。お見通しですよ。私を大逆罪人に仕立て上げて、大ソウ管は責任逃れをする気でしょう」
「いい加減に黙れ」
「中途半端に扱わない方がいい。あっさり殺すか、それとも逃がしてくれるか。それがお二人のためだ。このソリンギは、そんなに柔な奴じゃない」
「貴様、この期に及んで…」
「よかろう、殺してやる。者ども、奴を死ぬまで叩け」
「はい、将軍」
「将軍」
「おい、こら、待て待て。また殴る気か? 話し合おう。対話だ、対話。話で解決しよう、対話で…(棒で殴られ)死んじまう、やめてくれ。死にそうだ…」
「将軍、将軍…」
「大ソウ管、やめてくれ」

則天武后「私の事を言わずに、拷問に耐えた?」
「はい、ただ悲鳴だけだそうです」
「私が逃がした事を喋らぬとは…ソリンギは死なせない。今夜、陛下が来るようにしたか?」
「はい」
「そう…」
「皇后陛下、皇帝陛下です」
「お通しして(出迎える)」
「今夜はここで過ごすつもりだ」
「そうなさいませ。でも今夜はお相手できません」
李治・皇帝「おや…、それはなぜだ?」
「臣下にも軽んじられては、陛下に尽くす気にもなれません」
「またソリンギのことか」
「陛下、将軍を助けようと努力したのに、イジョクと蘇定方が酷い拷問を加えています」「ソル将軍に関する事は朕が彼らに一任した」
「さようですか、ならば、私を皇后扱いしないのは陛下ですね」
「どうしてだ?」
「陛下、ソリンギ将軍は安市城からの帰路、遼澤(ヨタク)で先帝を助けた者です。先帝は崩御なさる時も、彼をお召しでした。他とは比べられないほど、寵愛されました。そんな彼を陛下が殺すなんて。先帝のためにも生かすべきです。私の話を聞き流さないで下さい。それでこそ後世に聖君の名を残せます」


刑場。
ポンペ「将軍、大丈夫ですか?」
ソリンギ「大丈夫なものか。滅茶苦茶に叩かれて、大丈夫なわけがない。体が痛い…」
「私が身代わりになれば良かった」
「口先だけは達者だな。殴られる時にそう言ってみろ」
「将軍、契丹の事を話せば…」
「おい、黙れ」
「将軍の責任にされて、悔しすぎます。敗因は契丹族でしょう?」
「こら、この身の命惜しさに、彼らを裏切る事はできん。死ぬかもしれないのに信義なぞ…」
「彼らは私を信じて、命がけで戦った。卑しい私がそれでも将軍風を吹かせられたのは、すべて彼らのお陰だ」
「でも将軍」
「私は彼らから、命以上のものをもらった。それを裏切るなど、男のする事じゃない」
「将軍、死ぬつもりですか。どうなるんでしょう…助かるでしょうか」
「知るか、殴る奴らに聞け」
「将軍」
「ええい、知らぬと言うのに」
「将軍…」
「いてて…体中が…」


契丹部族長が酒を飲んでいる。
「飲みすぎては酔いますぞ」
「義弟よ」
「はい、可汗」
「我が契丹軍の数は? 私のために死ねる兵の数だ」
「なぜ、そんな事を?」
「もう我慢できん。高句麗でも唐でも攻め込んで、決着をつけてやる」
「もう酔われたようです」
「考えてみろ、ソリンギが口を割ったら、我が契丹が滅ぼされるのは火を見るよりも明らかだ」
「お待ち下さい、チョリンたちがヨン・ゲソムンを殺すでしょう」
酒を飲む部族長。

酒を飲むナムセン。
「父上」
回想シーン。
テ・ジョヨンと死の床のヨン・ゲソムン。
「父上」
「そうだ、そうとも、お前は私の息子だ。私が育てた息子だ、ジョヨン、私はお前を信じるぞ。お前は高句麗のために、偉業を果たせるだろう」
回想終わり。
酒を注いで飲むナムセン。
「だんな様、私です」
「入れ」
ジョヨンが入る。
「ナムゴンは寝ているようだし、心さびしいので、一杯やろうとな。さあ、飲め(酒を注ぐ)今までの仕打ちは、全部水に流せ。父上を守るためだったのだ」
「そう言って下さり、恐縮です」
「ヤン将軍には無礼を働いてしまった。父上もいないのに、遼東とは仲違いしたくない」「ヤン将軍も分かって下さいます」
「それなら良いが。ぜひお前に遼東との架け橋になってほしい。頼めるか?」
「身を粉にして尽くします」
「お前がいてくれて頼もしいぞ。さあ、ぐっと飲め」
テ・ジョヨンが飲むのをじっと見るナムセン。
「もう一杯飲め」
「いいえ、まだ仕事が残っています」
「そうか、では、続けろ」
テ・ジョヨンと入れ替わりに、シン・ホンが入ってくる。
シン・ホン「あれで良いのです。大莫離支になるためには、ヤン将軍の助けは不可欠です。ジョヨンをそばに置くことが、遼東を味方につける確実な方法です」
「お前も飲め」
シン・ホンに酒を注ぎ、自分も飲むナムセン。

コルサビウのところへテ・ジョヨンが来る。
「調べたか?」
「あの日以来消えた。平壌城を去ったようだ」
「まだ、ここにいる。大莫離支の死を確認するまでは去るまい。間違いなく誰かが庇護している」
「心当たりは?」
「どうも、店に来ていたサブク将軍が怪しい」
「サブク…」
「もし、サブクが関係しているなら、暗殺の黒幕は…ブ・ギウォンに違いない」
「分かった、大臣邸を監視する」


牢の鍵をやすりで削るソル・ゲドウ。
「もう何日目だ? それで鎖が切れるのか?」
「ガキの頃から、鍛冶屋で鍛えられたんだ。火と鉄の扱いでは俺に敵う奴はいない。よし、ここらで気張ってみるか」
鎖をねじりながら、引っ張るソル。
鎖が切れて、倒れこむソル。
「何をしてる、出るぞ」
「待て」
イ・ヘゴは、外に出て、鎖を元通りに巻きつける。
「何をしやがる」
「今出たら捕まる。しばし待て」
「自分だけ逃げるのか」
「静かにしてろ(チョリンに目で挨拶)」

ブ・ギウォンが寝ている。
せきをしながら目を覚まし、水を飲み、イ・ヘゴに気づき、驚く。
「誰だ」「静かに」
「お…お前は、なぜここに?」
イ・ヘゴは帯を投げる。
「帯を取る代わりに、心臓を刺す事もできた
「逃がしてやろう、一番鳥の鳴く前に去れ」
「私は大臣の側に残る」
「私は約束を破ったのだぞ。なのに、なぜ残る?」
「大臣は、ヨン・ゲソムンと不倶戴天の仲だ。それは私も同じだ」
「では…、また私を信じるのか?」
「考えが同じなら、進む道も同じだろう」


平壌城・宮殿。
ブ・ギウォンとサブクらが門を入る。
行く手をテ・ジョヨンたち兵士がさえぎる。
「何をする」
テ・ジョヨン「誰も通すなという陛下の命令です」
「命令? 陛下が臣下を通すなと命令を?」
ケジン「黙れ、我らが入れぬなら誰が入る?」
ソンギョム「道を開けさせろ」
サブク「大臣方を通せ」
「はい」
サブクが兵士を連れて、突き進む。
「なりません、駄目です、入れません、駄目です、通せません、なりません」

ポジャン王「大莫離支が、大莫離支が…ついに逝ったか」
スギョン「では、後任は誰が?」
「こちらの太大兄が後を継ぐべきでしょう」
「さようです。すでに内定されていました」
チ・ミョンチョン「ですが、全権を引き継いでも、葬儀までの3年間は公表を控えねばなりません」
「分かった、すぐに大臣たちの意見を…」
ナムセン「意見を聞くことは公表するのと同じです」
「では、大臣にも知らせぬのか?」
「陛下が許可さえして頂ければ、後は私が処理します」
「陛下、対内外の問題が山積しています。どうかご許可を」
「どうかご許可を、陛下」


ケジン「そなたの言うとおり、大莫離支の死は確実だ。だが、国葬のはずが、公表もしないでおる」
「我らを排除し、全権を握るつもりでしょう」
「このままやられてたまるか」
ブ「じきに唐征伐が具体化するでしょう。民は血税を絞られ、大臣たちも失うものが多いでしょう。高句麗には二度と平和が訪れませんぞ」
「一体、どうしたら良い?」
ブ「何が何でもナムセンの大莫離支就任を阻止するのです。それが国と民を救う道です」ソンギョム「方法はあるのか?」
ケジン「奴を引きずり落とす方法はあるのか?」
ブ「ございます。今はそれだけが、生き残れる方法です」
「ほう…」

ナムセン「そうか、寺に戻るか」
「はい、勉学を終わらせないと」
「いい決心だ、政局が安定したら、また来い」
ナムゴン「ところで、お話があります。お忙しくて、民心まで気が回らないのではと…」「民心がどうした?」
「兄上、都城内もですが、都城外の民心は最悪です」
「民心が最悪?」
「はい、大勢の子供や老人が飢え死に、若者も生活苦で匪賊と化しています」
「昨日今日の事ではない」
「だから問題なのです。こんな時に軍備を増強し、唐との戦を起こせば、致命的な愚行となります」
「何を言うのだ?」
「民心を伝えているのです。高句麗の現実です」
「黙れ」
「お聞きを。国を導く大莫離支なのです」
「唐征伐だけの軍備増強ではない、国を守る当然の処置でもある」
「交渉と外交だけでも十分に戦を防げます」
「な…何?」
「百万の大軍や強い兵器に何の意味があります? 民なくして国は有り得ません。今、民は飢え死に…」
「うるさい、お前の話は、あの大臣たちの主張と同じだ」
「兄上」
「もう帰れ。せいぜい勉学に励め。国の事は私が処理する」

ナムゴンとテ・ジョヨンが出てくる。
ナムゴン「無駄に兄上を怒らせてしまった」
テ・ジョヨン「分かってくれるはずです」
「そなたがいてくれて、頼もしく思う」
「恐縮です」
「兄上を頼む」
「はい、お気をつけて」


歩いていくナムゴンをブ・ギウォンが呼び止める。
「久しぶりですな」
「これは、ヨクサル様。お元気ですか」
「国がこの有様で元気なわけがない」
「ところで、私に何か…」
「しばし、時間を下さい。大事なお話があります」
ナムゴンはブ・ギウォンについていく。フクスドルがそれを隠れて見ている。


ナムゴン「何を言うのです?」
「大莫離支の任をナムゴン様にお願いしています」
「誰が? 私が? 大莫離支はご健在です」
「お亡くなりなのは存じています」
「ナムゴン様は優れた慧眼をお持ちです。高句麗の現状をご存知でしょう?」
「政治に興味はありません。それに新大莫離支は我が兄です」
ケジン「個人の栄達のために言ってるのではなく、ナムゴン様に国を助けてほしいのです」
「私にはできません。できるとしても兄上を決して裏切れません」
「兄君が大莫離支になれば、国は滅びます。それはご存じでしょう?」
「いいえ、私は知りません」
「ナムゴン位頭大兄」
「もう、聞く必要はない、帰ります」
帰ろうとするナムゴンを剣で止めるサブク。
ブ「大臣は、皆この事に命をかけています。これ以上、飢えた民を無視できません」
「大兄に見捨てられたら、高句麗に未来はありません」

フクスドルが見張っている。その後ろからコルサビウが肩を叩く。
「覗きか?」「何だ? 驚いた」
「ネズミみたいだぞ」「ネズミ? この野郎…何で来た?」
「私が先に聞いた」
「言ったら、何で来たか言うか?」
「よし、先に言え」
「あそこにナムゴン様がいる。さっき見た次男の方だ。どうも、ブ・ギウォンの奴と何か企んでるようだ」
コルサビウは、後ろを向いて去ろうとする。
「そのまま行く気か?」


コム・モジャム「ナムゴン様がブ大臣邸に?」
コルサビウ「間違いありません」
チャン・サネ「一体なぜそこに?」
テ・ジョヨン「とにかく、ナムセン様が知れば、ナムゴン様が危険です」
「そうだ、だが、もう知ってるかも」
「あの性格だ。もう殺せと命じたかもな」
「時間がない」「どうする気だ?」
「危害を加えるならナムゴン様を救います」
「兄弟の事だ、でしゃばらない方がいい」
「ブ大臣が関係するなら、兄弟喧嘩では終わりません
テ・ジョヨンに続いて、コルサビウも行く。
「おい、ジョヨン」

ナムセンとシン・ホンが話している。
「だんな様、おいでですか?」
「入れ」
「何事だ?」
テ・ジョヨン「今聞いた事ですが、ナムゴン様がブ大臣邸にいます」
「それが何だ? 奴が裏切るとでも? 心配するな。異母弟だが、そんな奴ではない。フクスドルを送った。夜道の用心棒としてな。戻れば詳細が分かるだろう」

フクスドルが兵士を連れて、ブ大臣家に行く。
「何事だ?」
「位頭大兄の迎えです」
サブク「ヨクサル様とお話中だ」
「すぐ帰れとの太大兄の命令です」
「分かった、下がれ」
「中で待ちます。行くぞ」
「(剣でさえぎり)いつ終わるか分からん、待てるなら何日でも待つがいい」
「ちょっと…あの野郎、帰るぞ」

ナムゴンが部屋の中を歩いている。
シン・ソンが入る。
「居士様、なぜここに? 大莫離支になれと言われました。困った事です。大莫離支は兄のナムセンです。私は兄のナムセンを裏切れません」
シン・ソン「兄弟愛より、国を優先させるべきです。権力を取りなさい」
「居士様」
「ナムセンは戦を起こす気です。このままでは民は飢え死にします。それに戦を起こしても唐には勝てません。ナムセンが権力を手にすれば国は滅びます。国を守れという天の命令です。天命ですぞ。権力を取りなさい。今から大莫離支は目の前におわすーナムゴン様です」
ナムゴンびっくり。



ナムセン「何日かかるか分からん?」
「はい」
「ブ大臣と数日も相談だと? ブ・ギウォンと弟が? すぐ兵を集めろ。行って弟を連れ戻す。ブ大臣が弟を足止めしているなら、奴ら全員を消し、弟が自分の意思で残ったのなら、弟をこの手で殺す。早く兵を集めろ」
フクスドル「分かりました」
「私が行きます。私がナムゴン様を連れ戻します」
「お前が?」
「ご兄弟の不和はいけません。亡き父上の遺志でもあります」
「いいや(立ち上がる)お前の出る幕ではない、どけ」
「行ってはなりません。私が行きます」
「どけと言った」
「なりません。私に行かせてください」

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