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テ・ジョヨン28回目

牢屋の中にイ・ヘゴ。
ナムセン「何と図々しい。刺客の分際で、国権を口にするとは。お前の話に耳を傾けたなんて、天下の笑い者になるところだった」
「話を聞いたほうがいい、それだけが…」
「黙れ、じきに平壌城から伝令が来る」
「あなたにそんな時間はない。すぐにヤン将軍が軍を率いて来る」
シン・ホン「話せ、一体、何を以って、大莫離支を救うのだ?」
「我が契丹軍をあなたの物にしよう」
「契丹軍10万を私の物に?」
「平壌城の反対派を消した後―-、あなたは再び大莫離支になれるだろう」
フクスドル「この野郎、何を申すか」
「やめろ。契丹は唐の軍も同然だ。唐軍を引き入れて、平壌を討てだと?」
「さもなくば、座って死を待つしかない」
シン・ホン「では、なぜ我らを助ける?」
「我が契丹族が、ヨンジュを得られるからだ」
「ヨンジュを?」
「さよう、契丹が高句麗討伐に参加したのは、ヨンジュ獲得を条件に出されたからだ。もし、私の提案を受け入れれば、我らはヨンジュを得て、あなたは高句麗を得られる」
「高句麗…私が高句麗を?」
「さよう。あなたが望めば、高句麗の王になる事も夢ではない」
「黙れ、私に私欲のために、国を売れというのか?」
「あなたの生死とは関係なく、高句麗は唐に支配される」
「何だと? 今あなたが死ねば、無駄死にだ」
「黙れ、たとえ死のうとも、外勢に頼り、国を滅ぼす事など、有り得ん。しっかり監視しろ。じきに処刑する」
「承知しました」

高句麗の旗を立てて、騎馬兵が行く。

ナムセン「コム将軍から連絡はないか?」
シン・ホン「はい」
「何かがおかしい。遅すぎるぞ」
フクスドル「大莫離支、大莫離支、平壌からの伝令ですが…(うつむく)」
ナムセン「なぜ言えぬのだ」
「あの…それが…コム将軍が…」
「ええい、早く申せ」
「平壌に着くなり、捕らわれたそうです」
「何だと? ナムゴンの反乱は本当だったのか?」
「さようです。ナムゴン様が、ブ・ギウォンと手を結びました」
「ナムゴンが反乱を…我が弟ナムゴンが反乱を?」
「さようです」

サブクが、縄で縛られたコム将軍をナムゴンの前に連れて行く。
ナムゴン「ようこそ、コム将軍。ナムセン兄上はお元気か?」
「一体…どういうことです?」
「兄上が国を乱すのを、これ以上座視できん」
「国を乱しているのは、あなた様です。内紛を起こし、国論を分けた事こそ、反乱そのものです」
「反乱か…私は力だけで、平和を得られるとは思わん。私の評価は、後世の歴史が語るだろう」
「すぐに私兵を解散し、皆を釈放してください」
「私が大莫離支の権限を手にしたら、その時、開放しよう。だから、そなたも大人しくするがよい」
「ナムゴン様」

ヤン将軍がいる。
声「将軍、ジョヨンです」
「お入り」
テ・ジョヨンが入る。
「夜更けにどうした?」
「私にナムセン様を説得させて下さい」
「何度もお前を殺そうとした者だぞ。しかも今は、四面楚歌の状態だ。お前に何をするか分からん」
「お仕えしていた主人です。私以外に誰が説得できましょう」
「故大莫離支も、ナムセン様を私に頼みました。ナムセン様だけを死地に追いやれません。どうか許可を」
「ジョヨン…」
「許可して下さい」

テ・ジョヨンとコルサビウが兵を連れて、馬で行く。

チョリンが人ごみの中を歩いている。
前方から、馬上のテ・ジョヨンたちがくる。
チョリンは隠れる。

酒を注いで、飲むナムセン。
シン・ホン「昼間から、お酒が過ぎます」
「最近はやたらと、父上のお叱りが恋しいな。大声で叱っては、いつも静かに諭された。お叱りには耐えられても、それには涙ぐんだものだ。敵は多いのに、援軍は誰もいない。押しも押されぬ大莫離支の位が、こんなに孤独で危ういものとは」
「大莫離支、あの刺客ですが、彼の話をもう一度…」
「再考の必要はない。宿敵の唐と手を結べだと?」
「以夷制夷と言います。唐軍を引き込んで、平壌の奸臣を処断するなら、それこそ、以夷制夷です」
「だが、父上は生涯、唐を憎んだ。あの世で、顔を合わせられん」
「唐と手を結ぶのではなく、権力を取り戻すまで、唐を利用するのです。亡くなった大莫離支も、ヨンリュ王と奸臣200人を殺しました。その時、皆は、大莫離支を逆臣となじりました。ですが大莫離支は、その後、何度も国を救いました。そして、民の心に英雄として残りました。今の朝廷では、唐を追い払えません。今のように唐にへつらっては、高句麗は滅んでしまいます。平和をお望みなら、戦の準備を。平和は力で守るものです。大莫離支、大莫離支にはできます。手段と方法を選ばず、権力を取り戻すのです。それだけが遠い将来まで、高句麗が存在できる唯一の道です。刺客の言うとおり、我らには時間がありません。ヤン将軍が動く前に、事を成功させるのです。早くご決断を。こんな機会は二度とありません」
「フクスドルよ」「はい」
「あの刺客をここへ」
「何と…刺客をですか? 一体、なぜ?」
「早くしろ」「はい」
酒をあおるナムセン。

フクスドルが廊下を歩いている。
首を振り、疑いのまなざし。

馬で行く兵士たち。
テ・ジョヨンとコルサビウ。


ナムセンとシン・ホンの前に、現れたイ・ヘゴ。隣にフクスドル。
「本当に、私を助けられるのか? 遼東にいる契丹軍を、私にくれるのか?」
フクスドル「(目をぱちくり)何をおっしゃいます?」
「口を出すな。答えろ」
「天に誓って―ーお望みどおりに、差し上げましょう」
「では、どうすれば?」
「大莫離支、何をおっしゃいます、唐軍を引き入れるのですか?」
「口出しするでない、下がれ」
「ですが」
「貴様、早く下がれ」
フクスドルは、納得できない様子でためらうが、下がる。
「今から、その秘策とやらを、詳しく申せ」

廊下にでたフクスドル。
フクスドルの心の声「唐を引き入れるなんて、そんな馬鹿な話があるか(耳を寄せて立ち聞きしようとする)」
兵士が来て耳打ちする。
フクスドル「安市城から?(顔色を変えて)大莫離支、安市城からの伝令です。大莫離支、大莫離支(部屋の中に入る)テ・ジョヨンとコルサビウが伝令です」
ナムセン「テ・ジョヨン?」
イ・ヘゴの表情が変わる。
シン・ホンも。
「今どこだ?」
「城門を通り、こちらへ向かっています」
「奴らを連れてこい」
「はい」
シン・ホン「時間がありません、早くここを出て…」
イ・ヘゴ「すぐに出発します(ナムセンに一礼し、立ち上がる)」

テ・ジョヨンとコルサビウが入るのを、物陰から見ているイ・ヘゴ、ソル・ゲドウ、モゲ。
ソル「うまく行き…」イ・ヘゴがしーっと口に手を当てる。
イ・ヘゴ「行くぞ」

ナムセン「平壌に居ると思ったが…」
テ・ジョヨン「紆余曲折の末に平壌を出ました」
「何用で、安市城から来た?」
「私と安市城へご同行を」
「ヤン将軍が、私を捕らえろと?」
テ・ジョヨン、コルサビウ、びっくり。
「もう知ってる。陛下が私を捕らえるよう将軍に命令したそうだな」
「今、大莫離支が頼れるのはヤン将軍しかいません」
「私を捕らえる気だ」
「違います。将軍は心配しておいでです。大莫離支を救えるのは、ヤン将軍ただお一人です」
「皇命に背くのは反乱も同然だ。将軍は反乱を起こすつもりか?」
「きっと―ー将軍は大莫離支を救うはずです。どうか一緒に安市城へ」
「(机を叩く)貴様、私を騙して連行する気だな? そんな策にはまるか」
「だんな様、嘘ではありません。信じて下さい」
「貴様は、家を守れという私の命令に背き、安市城へ逃げた。そんなお前を信じられるか」
「だんな様、私が平壌を出たのは、だんな様を救うためでした。だんな様は今―ー岐路に立っておられます。下手をすれば、すべてを失ってしまいます」
「うるさい、この二人を牢に閉じ込めろ」
「はい、連れて行け」
コルサビウが剣を抜こうとしたが、兵士たちの剣が喉首に。
「ヤン将軍は、だんな様の父上も同然です。歯向かってはなりません。信じるのです」
「くどいぞ。お前ごときが、父上を口にするか。何をしておる、連れて行け」
「はい、行くぞ」「はい」
「最後の機会です。今を逃せば、二度と再起はできません」
「早く連れ出せ」「だんな様、ヤン将軍を信じて下さい」「さっさとせんか」
「早く連れて行け」「早くしろ」

牢獄。
「急げ」
牢屋にテ・ジョヨンとコルサビウを入れる。
フクスドル「しっかり見張れ」
フクスドルは、帰る途中、イ・ヘゴの牢が空っぽなのを見て、びっくり。
「な…何と」
「(見張りの兵士に)ここにいた奴は?」
「逃がせとの命令です」
「何…命令? 逃がせだと? そんな…」
走っていくフクスドル。

コルサビウ「説得は無駄なようだ」
テ・ジョヨン「何としても説得せねば…」
じっとにらむテ・ジョヨン。

座っているシン・ホンと立っているナムセン。
ナムセンはため息をつきながら、座る。
シン・ホン「もう賽(さい)は投げられました。天に任せるしかありません」
声「大莫離支」
フクスドルがはいる。
「大莫離支、あの刺客を、なぜ逃がしたのです? 唐の奴らと手を結ぶのですか?」
「お前は黙っておれ」
「大莫離支、では本当に、唐軍を引き入れるのですか?」
「お前の出る幕じゃない」
「大莫離支…(シン・ホンを見て、ナムセンを見る)」
「じきに、イ・ヘゴから朗報が届くだろう」
「大莫離支」
「その時まで、何としてでも、ここで持ちこたえる。だから、テ・ジョヨンらをしっかり見張れ」
フクスドル、ひざをつく。
「大莫離支、このフクスドル、死ねと命じられれば、今すぐにでも死ねます。大莫離支こそが、唐を滅ぼし、高句麗を天下一へと導く―ー真の英雄だからです。なのに、そんなあなた様が、引き裂いても飽き足らぬ唐と手を結ぶとは、大莫離支、なりませぬ。いっそ私に、ナムゴン様の首を取れと命令を。なりません、唐と手を結んでは決してなりません」「口出しは無用だ、下がれ」
「大莫離支」
「こいつ…(本を叩きつける)早く出て行け」
「大莫離支」
「早く下がれ」
フクスドル、唖然とし、シン・ホンを見て、またナムセンを見て、立ち上がり、一例をして、泣きながら出て行く。

炊事場で、酒を飲みながら、泣いているフクスドル。

フクスドルは酔っ払って、さらに酒を飲みながら、牢屋へ行く。
「いいザマだ」
テ・ジョヨンたちの牢の前で、酒を飲む。
「こんな…馬鹿な事が起こるとは」
コルサビウ「飲むなら大人しく飲め。牢まで来て何事だ」
「黙れ」
フクスドル、飲みながら、わめき声を上げる。
コルサビウ「お前、酒乱だったのか」
テ・ジョヨンが、フクスドルを見ている。
フクスドル「目にとまる奴は皆殺す。高句麗を裏切る者はこの俺が殺してやる」
テ・ジョヨン「どうしたんだ?」
「知らんでもいい」
コルサビウ「知りたくもない。騒ぐなら失せろ」
「何? この野郎」
テ・ジョヨン「話せ、何事だ?」
フクスドル「(酒を飲む)俺は13才の時、軍に志願した。出世なんか眼中になかった。ただ唐に勝つことだけ。骨身を削ってでも、親を殺した唐に復讐することだけだった。なのに、最も信頼していたお方が裏切るとは…(泣いている)」
「何のことだ? 誰がお前を裏切った? この俺が解決すればいい。俺が、この手で片を付けて、俺も死ねばいいんだ」
「詳しく話してみろ」
「殺してやる、この手ですべてを終わらせる(泣きながら去る)」
「おい、フクスドル」


満月。
フクスドル「大莫離支は?」
番兵「お休みです」
「見回ってくる。(兵士の胸を叩く)しっかり見張れ」
「はい」
フクスドルは、ナムセンの寝室のほうへ行く。
家の陰から、シン・ホンが出てきて、いぶかしげな顔。

廊下をコソコソ歩くフクスドル。
剣を確認し、部屋の中へ入る。
シン・ホンが兵士を連れてきて、中の様子をうかがい、兵士の剣を取り、待つ。

部屋の中。
フクスドルが、寝ているナムセンを見て、泣きそうになる。剣を抜いて、近づく。
斬りつけようとしたとき、ナムセンが寝返りをうち、フクスドルは、びっくりする。
人の気配を感じて、フクスドルは隠れる。
シン・ホンが兵士を連れてくる。
フクスドルは、シン・ホンを取り押さえ、剣を突きつける。
フクスドル「何者だ? 動くな」
ナムセン「どうしたのだ?(起き上がる)」
フクスドルは、シン・ホンを放して、にらみ合う。
「シン公ではないか」
フクスドル「大莫離支、こやつは寝首を掻きに」
シン・ホン「黙れ。貴様こそ、なぜ、夜更けに剣を持ってここへ?」
フクスドル「(ひるみながら、睨み返して)私は大莫離支の警護を預かる執順長だ。剣を持たずに、素手だけで、大莫離支を守れるか」
「ところで、シン公はなぜ兵を連れて来た?」
「この者が入るのを見て、怪しく思って参りました」
「怪しいだと? 私が大莫離支を守らねば、誰が守るのだ?」
「よせ。皆、神経が高ぶっている。無理もない」
「大莫離支。しかし、今夜の彼の行動は変です」
「こやつの事は分かってる。任務に忠実すぎたのだ。安心して互いに誤解を解け」
シン・ホンとフクスドル、にらみ合う。
フクスドルは去る。

出てきたフクスドルは苦々しい顔。

牢の中。
フクスドルが来る。
フクスドル「駄目だ…俺一人じゃとても…いくら考えても、俺一人じゃ到底無理だ。(テ・ジョヨンを見て)逃がしてやる。助けてくれ」

イ・ヘゴとソル・ゲドウ、モゲが馬に乗っている。
イ・ヘゴ「行こう」

ヨンジュ。
「何? イ・ヘゴが来ただと?」
会議の席。
イ・ヘゴ「このイ・ヘゴ、可汗にご挨拶を」
部族長「よく帰った」
ソリンギ「将軍、李副将、生きて帰るとは。本当に、本当に大したものだ」
部族長「チョリンは…、チョリンはどこだ?」
モゲ「お嬢様を守れませんでした。私を殺してください、可汗」
部族長「チョリンが? まさか…」
イ・ヘゴ「チョリンのことは、後ほど申し上げます」
ソリンギ「そんな…何てことだ、可汗」
部族長「高句麗の刺客となった時に、覚悟するべき事でした。気にしないで下さい」
ソリンギ「可汗…それで、ヨン・ゲソムンは?」
部族長義弟「噂では、死んだそうだが、本当か?」
イ・ヘゴ「ヨン・ゲソムンは死にました」
ソリンギ「そうか、そうこなくちゃ」
「今、権力をめぐって、息子同士が争っています」
「争いだと? 内紛か?」
「はい、息子のナムセンが、我が契丹に助けを求めてきました」
「何? 息子のナムセンが我らと手を結ぶだと?」
「さようです」
ポンペ「将軍、もう高句麗の運命は我らの手中です」
「もっと詳しく話せ。高句麗で一体何が起きている?」

兵士をフクスドルが怒鳴りつけている。
「何てことだ、街に出て早く探して来い」
「はい」「急げ。まったく…」
ナムセンが来る。
ナムセン「何事だ? 夕べ奴らが牢を破って…」
シン・ホン「それを今知ったのか?」
「外郭巡視で朝に戻って…」
シン・ホン「心配無用です。幸い計画はまだ気づかれていません」
シン・ホンをにらんでいるフクスドルは、シン・ホンが自分を見るとき、さっと目をそらし、そ知らぬ顔をする。

テ・ジョヨンとコルサビウは馬で草原を走る。

安市城。
ヤン将軍「ナムセンが唐を引き込む?」
「さようです」
「唐を引き込むのは反逆に値する。奴の意図を知った以上、もう許せん」
テ・ジュンサン「では、国内城を攻めるのですか?」
「他に方法はない」
テ・ジョヨン「将軍、しばしお待ちを」
コ・サグ「待てだと? どんなに火急か知らんのか?」
「存じています。しかし、フクスドルが協力します。緊密に連絡を取り合えば、武力を使わずに、ナムセン様を止められます。我らにお任せ下さい」
コルサビウ「どうか許可を」

平壌城。
「皇命が下ってから、ずいぶん経ちます。ですが、ヤン将軍ま、未だ軍を動かす気配を見せません」
ケジン「陛下、再度皇命を出して下さい。もし今度も動かぬなら、ヤン将軍もまたナムセンに同調した反逆の徒です」
王「ヤン将軍は、皇命に背く人ではない。何か事情があったのだ、もう少し待とう」
ソンギョム「陛下、この事で、民が動揺しています。早くナムセンを捕らえる事が、国の安定へ繋がります」
「分かった、もうよい」
ナムゴン、ブ・ギウォンの顔。

スギョンが、一人で考えている。
回想シーン。
テ・ジョヨンがチョリンを馬の後ろに乗せている。
サブクやスギョンたちの目の前で、テ・ジョヨンはコルサビウと走り去る。
回想終わり。
スギョンは、ため息をつく。
「スギョン様、私です」
「お入り(椅子に座る)。安市城から他に報告は?」
「ありません」
「テ副将は? 手副将の話はなかった?」
「何も聞けませんでしたg」

テ・ジュンサン親子が座っている。
テ・ジュンサン「ヤン将軍は危険を冒してまで、お前の願いを聞き入れた。もしお前が失敗したら、遼東全体が反逆の徒にされるかも知れん。自信はあるのか?」
テ・ジョヨン「やってみます」
「くれぐれも慎重にな。ナムセンは一筋縄ではいかん」
「肝に銘じます」
二人立ち上がり、テ・ジュンサンは、テ・ジョヨンの腕を叩く。
テ・ジュンサンは出て行く。
テ・ジュンサンの弟「(入ってきて)お前に話がある。ある娘がお前を訪ねて来たが。どんな仲か知らぬゆえ、適当な所に泊めておいた。会ってみるか?」
「(首を横に振る)いいえ、会ってはいけないのです。故郷に帰れと伝えて下さい」
「ずいぶん待ってるようだが」
「帰して下さい。お願いします」
弟、うなずく。

炊事場。
チョリンに向かって。
「今は会えないそうだ。もう故郷へ帰りなさい。それじゃ…」
チョリンは座り込む。
悲しそうなチョリン。
テ・ジョヨンは、遠くから見ているが、振り向いて去る。

焚き火をするイ・ヘゴ。

長安城。
皇帝「ソリンギがナムセンの降伏文書を得た?」
「我が唐に軍の派遣を要請しました」
皇后「ヨン・ゲソムンが死んで、その息子が大莫離支も同然です。助けを求め、頭を下げたのなら、降伏したも同然でしょう」
「(うなずき)ソリンギが偉業を成した。唐の100万大軍もできなかった事だ」
「さようです。危うく忠臣を我が手で殺すところでした。そうでしょ、大ソウ管」
イジョク、複雑な顔。
「それで、ソリンギは今、どこだ?」
イメン「城外の客館にいます」
「どういうことだ? 国賓扱いでも足らぬのに。客館とは話にならん。早く皇宮へ呼び寄せろ」
蘇定方「はい、陛下」

皇后の居所。
ソリンギが入り、ひざまずく。
「皇后陛下」
「今まで大変でしたね」
「皇后陛下の大いなるご恩のお蔭で、つらいとも思いませんでした」
「いかなる計画で、ナムセンと平壌を落とすのだ?」
「はい、皇后陛下、契丹族に、私の信頼するイ・ヘゴという者がいます。イ・ヘゴが国内城に着き次第―ー、ナムセンが高句麗の西の烏骨城を奪います」
「烏骨城?」
「さようです。その後、我らは船を使い、烏骨城の近海から軍を上陸させます」
「それで?」
「烏骨城を根拠地とし、ナムセンと連合軍を結成すれば、平壌城を陥落させるのは、難しくないでしょう」
「ナムセンがうまくやれるか?」
「ナムセン一人を手中に置けば、高句麗の半分は手にしたも同然です」
「そのとおり。ついに唐の悲願をソル将軍が果たす事になった」
「皇后陛下、このすべては、皇后陛下が私を信じて、配慮して下さったお陰です」

廊下を歩くソリンギ。
ポンペ「将軍、イジョク将軍がお会いしたいそうです」
「イジョク将軍が? 忙しいと言え」
「さっきから、外でお待ちです」
「まったく面倒だな」
「それだけ、将軍の人気が高いということです」
「何が人気だ…どうしようか。どれ…会ってやろうか?」
「そうなさいませ」
「あの拷問を思うと歯軋りしてしまう。まだ痛いぞ。どれ、今も虫けら扱いするか、面前で確かめてやろうじゃないか」

イジョクが待っているところへ、ソリンギが入り、挨拶する。
「お話とは何でしょうか?」
イジョク「そなたと和解したい」
「わ…和解? 今、和解と言いましたか?」
「不本意ながら、そなたを苦しめた。今までの事は水に流してくれ」
「さあて…このソリンギ、何とも度量の狭い男でして…」
「その気持ちはわかる。恨めしいだろう。だが私の立場を理解してくれたら、謝罪を受け入れられるだろう」
「将軍は、軍部の決定権を握る大ソウ管です。私ごときは無視すればいいのに、何ゆえ謝罪までなさいます?」
「私と志を共にする者は皆死んだ。先帝も長孫無忌もバンヒョテも。私も死ぬべきなのに、まだ生き永らえている。ヨン・ゲソムンまで死んだのにだ。すなわち、それは、高句麗を滅ぼせという天命なのだ」
ソリンギは、手で顔を覆って笑う。
「だが、私一人では無理だ。だから頼んでいるのだ。一度だけ私を助けてくれ」
「非力な私が、どうやって助けられます?」
「私も百戦錬磨の老将だ。ソリンギの覇気が加われば、今度こそ高句麗を滅ぼす自信がある」
「では…私からもお願いが」
「言ってみろ」
「今度こそ、すべてを尽くして高句麗と戦います。大ソウ管には、大いに支援してもらいますぞ。けちけちせずに、全面的に支援して下さい。そうできますか?」
「今から、そなたは我が分身だ。私の持つ全権限を、そなたに与えよう」
「これが最後の機会です。この私が先頭に立ち、必ず高句麗を滅ぼして見せましょう」
イジョクとソリンギ手を取り合う。

ナムセンとシン・ホンのところへ、イ・ヘゴが来る。
「待っていたぞ」
「話が終わり次第、ヨンジュへ戻ります」
「ご苦労、それで、我らはどうすればいい?」
「近いうちに、あなた様が軍を動かし…」
シン・ホン「待て。下がっておれ」
フクスドル「何…下がるなんて」
シン・ホン「何をしておる」
「大莫離支」
ナムセン「下がれ」
フクスドルは、いやいやながら下がる。
シン・ホン「さあ、詳しい話を」

廊下に出たフクスドル。
耳を付けて見る。


イ・ヘゴ、立ち上がって、扉を開けてみる。
誰も居ない。

フクスドルは、外を歩いて、誰かを探している。
「ここだ、聞いたか?」
「盗み聞きしたが…」
「何だ? 奴らの計画を早く言え」
「(耳に口を付けて)烏、骨、城」
「烏骨城…」
「そうだ、烏骨城」
「それだけか?」
「それでも大した情報だぞ」
「大将軍にそれだけ伝えろと? この野郎」
「何? 野郎だと? 真似するな」
「黙れ」
「この野郎」
しーっと、口に手を当てて、コルサビウは去る。

堂。
ヤン将軍の後ろにテ・ジョヨン。
「奴らは烏骨城で何かを企んでますが、それが何かは分かりません」
「烏骨城? 烏骨城だと?」
「ご存じですか?」
「ナムセンめ、やはり国を売るつもりか」
「将軍」
「ナムセンめ、どうあっても高句麗を…」


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