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テ・ジョヨン32回目

王宮前に罪人姿のヤン将軍。
ブ・ギウォン「陛下、何をおっしゃいます、大逆罪人を大莫離支に?」
ケジン「とんでもない事です、ご命令のお取り消しを」
「ご命令のお取り消しを、陛下」
王「すでに命令は下した。この件はもう論じるな」
ブ・ギウォン「なりません。高句麗の紀綱が揺らぎます」
ナムゴン「位頭大兄ヨン・ナムゴンが申し上げます」
「話すがよい」
「国法によれば、大莫離支は、父ヨン・ゲソムンの後を継ぎ、我らに機会が与えられます」
「さようです、国法に従うべきです」
「謀反を企てた兄ナムセンはその資格がありません。弟のナムサンは病が重く、大役を果たせません。今―ー大莫離支になれるのは、私だけです。私は大莫離支の位を放棄します」
サブクがびっくり。
テ将軍、コ将軍も驚く。
ヤン将軍はじっと座っている。
テ・ジョヨンの顔。
ナムゴン「大莫離支の地位は、民の支持がなければなりません。私は大将軍を救うために、命を投げ出す民を見ました。今の高句麗にヤン将軍ほどの者はいません。陛下、このナムゴンは、何があろうとも、陛下の命令に従います」
ケジン、ブ・ギウォンはあっけにとられる。
チャン・サネは頷く。
王「話すがよい、ヤン将軍、大莫離支を引き受けるか? 高句麗の運命を担う大役を引き受けられるか?」
ヤン将軍「私は老いて、力も不足しています。ですが、願いをお聞き入れくだされば、残りの人生、力の限り、大役を務めましょう」
「早く申せ。朕にできる事なら何でもしよう」
「南部褥薩ブ・ギウォンを莫離支にして下さい」ブ・ギウォンら一同びっくり。
「これまで、高句麗最大の問題点は派閥と紛争でした。それが解決されなければ、誰が大莫離支になろうとも無駄な事です。私はブ大臣の忠心と力量を存じています。国のためなら、私が莫離支で、彼が大莫離支になっても構いません。陛下、ブ大臣を重用なさいませ。今高句麗を救う道は、文武臣下が一丸となり心を合わせる事です」
武将たちは頷き、一同びっくり。


ヨンジュ。
「将軍、今間者から報告がありました」
ソリンギ「それでどうなった? ヤン・マンチュンは死んだか?」
「なぜ答えぬ?」
「ヤン・マンチュンは大莫離支に任命されました」
ソリンギ「(びっくり)何? こいつめ、馬鹿を申すでない。死を目前にしていた者が大莫離支だと?」
ソル「(手紙を出してソリンギに渡す)これが間者の報告書です」
ソリンギは、手紙を広げて見る。
ポンペ「(手紙をひったくる)貸して下さい」
ソリンギ「やれやれ…」
「報告は本当か?」
ポンペ「そうです、大莫離支はヤン・マンチュンです」
ソリンギ「何と…青天の霹靂ではないか。枯れかかった古木に花が返り咲いたのか」
部族長「実にしぶとい国ですな、あの高句麗は」
イ・ヘゴ「ナムセン殿は?」
ソル・ゲドウ「一日中宿所でじっとしています」
ソリンギは、テーブルを叩いて立ち上がる。


契丹陣地のナムセンの部屋。
シン・ホンと話をしている。
ソリンギがイ・ヘゴたちを連れて入り、咳払いをする。
「計画通りなら、ヤン将軍が処刑され次第―ー高句麗を攻めるつもりだった。だが今は、すべての計画が水の泡だ」
イ・ヘゴ「高句麗について、誰よりもご存知のはず。お話し下さい。今後高句麗はどうなります?」
ナムセン「亡き父が知略と勇気を兼ねた勇将なら、ヤン将軍は、兵の和合と士気を重んじる徳将だ。将軍が大莫離支になったのなら、政治勢力と軍部が和合したと言う事だ。私の予想では、じきに高句麗は再起するはず」
「再起する…高句麗が…ヤン将軍には、十分その力がある。むやみに攻めたら、昔の敗北を繰り返すでしょう」
頭を抱えるソリンギ。

イ・ヘゴのところへ、シン・ホンとソル・ゲドウが近づく。
「大人は我らに協力しないつもりのようだ。代わりにシン公に協力してもらう」
シン・ホン「私は非力です」
「見たところ、シン公は十分我らの力になり得る」
「力になれたとしても、私は主に従うだけ…」
剣を抜いて、シン・ホンにつきつけるイ・ヘゴ。
「勘違いするな。国賓扱いするのは、協力するという前提の下でだ。役立たずなら、今すぐ消してやろう」
「無駄な事ですぞ。私は主に従うだけだ」
「それほど死にたいのか」
シン・ホンは、イ・ヘゴが突きつけている剣の飾りの部分を見て驚く。

回想シーン。
シン・ホンが懐から刀を出して、差し出す。
ブ将軍「私には不要だ。捨てろ」
シン・ホン「代々伝わる宝剣です」
「私には資格がない。早く捨てろ」
回想終わり。

呆然とするシン・ホン。
はっとして我に返り、イ・ヘゴを見る。
「答えろ。協力するか?」
「今夜まで待ってほしい」

夜、部屋に一人のシン・ホン。
「確かにブ家の宝剣だった。そんな…若様が生きていたとは」
イ・ヘゴとソル・ゲドウがくる。
シン・ホンは、イ・ヘゴの腰のベルトにさしてある宝剣を見る。
イ・ヘゴは、シン・ホンが宝剣を見ていることに気づく。
「どうされた?」
「その宝剣を見せてもらえますか?」
イ・ヘゴは宝剣を渡す。
「一見しただけでも、実にすばらしい宝剣だ。どこでこれを?」
「(宝剣を取り返す)この宝剣は、形見のような物だ」
「形見とは…?」
「赤子の頃、草原に捨てられた私を可汗が拾った。その時、これも一緒だったそうだ」
シン・ホンは、衝撃を受け、目をそらす。
「私の両親は、何らかの事情があって、私を捨てたのだ。この宝剣は、後日両親が、私を探すための形見に違いない。私の提案は考えてみたか? シン公よ」
「お人払いを」
「下がれ」
ソル「付き合ってられねえな」
「答えられよ」
「協力します。ですが、私は契丹や唐ではなく李副将に協力するのです」
「どういう意味だ?」
「決して今の主には話してはなりません。ヨンジュの南海岸に、じき高句麗へ向かう商船があります。商人に扮して行きなさい。そして、平壌へ着いた後は、今から話すとおりになさいませ」

平壌城。宮殿
ヤン将軍「長らく遼東を留守にした」
「事件も落着したので、帰ろうと思っていました」
「平壌城の方は?」
オン・サムン「指揮権も取り戻し、以前通りになりました」
「民心は?」
チャン・サネ「民も活気を取り戻し、安定しつつあります」
「私がここにいる間、遼東はコ将軍に任せる」
コ・サグ「承知しました」
「それと、安市城はテ将軍に任せた。ジョヨンとコルサビウがここで私を補佐する」
テ将軍「はい、将軍」
「皆、気をつけて戻れ。そして各自の持ち場で、尽力してくれ」
「(いっせいに)承知しました」


ブ・ギウォンとサブクが兵を連れて馬で、街中を行く。
傘をかぶり、その前をさえぎるイ・ヘゴとソル。
ソル「唐と貿易している者ですが、良い品が入りましてな」
サブク「無礼な、この方を誰と心得る?」
ブ・ギウォン「待て。面を上げよ」
イ・ヘゴは、傘を持ち上げて、顔を見せる。
サブク「者ども、奴らを…」
「やめろ、ここへは何用だ?」
イ・ヘゴ「まずは、こちらの品をご覧下さい」


室内。
イ・ヘゴとソル、サブク、ブ・ギウォンが着席している。
イ・ヘゴ「ソリンギ将軍が、大臣に送った親書です。今、唐では戦いの準備を終えました。水軍と陸軍、補給部隊まで含めほぼ100万です。親書には和睦の提案があります」
「戦の準備を整えておいて、和睦とは、つじつまが合わん。判断はブ大臣次第ですが、断った瞬間に、先鋒隊をはじめ、100万の唐軍が攻め込むでしょう」
ブ「(せきばらいしつつ、手紙を見るが、びっくり)何と、ナムセンが、ナムセンが唐に忠誠を誓ったのは本当か? これは本当なのか?」
「親書には何一つ嘘はありません」

兵士たちが、出てくる。

ケジン「ナムセンが唐に忠誠を誓ったとは」
「だが、どう考えてもおかしいぞ。彼らに有利なのに、なぜ和睦を?」
ブ「戦とは、両国を疲弊させるものです。以前も唐に勝ったものの、我らの被害も甚大でした」
「そうだろ。奴らも負担なのだ」
「和睦を主張する度、君臣関係を求めましたが、今回は兄弟の関係を求めました」
「兄弟だと? 君臣ではなく兄弟関係をか?」
「そうです。唐は、ずいぶん譲歩したのです」
ケジン「やれやれ…それで、そなたの考えは?」
「どう見ても、この戦は勝ち目がありません」
「無謀な戦は、民にしわ寄せが及ぶ」
ソンギョム「でも和睦は我らが決められぬ事だ」
ブ「私がヤン将軍を説得してみせます」
ケジン「できるか?」
「私を莫離支にした人です。和合を成すといった言葉が本当かどうか、確かめる機会です」

ヤン将軍の前に、ナムゴン。
ナムゴン「もう―ー平壌を去ろうと思います」
ヤン将軍「去るだと?」
「前にいた山寺に戻ります」
「許可できん。国が安定したら、私は大莫離支を辞める。その時―ー空席を埋めるのはそなただ」
「国のために大莫離支を続けてください」
「人の器はそれぞれ違う。私は政治家に向いていない。遼東の原で馬を馳せる時が一番幸せな男だ」
「将軍」
「ナムゴンよ、この件で希望を見つけた。健在なる民に頼もしい陛下。そして国のために団結する臣下もいる。私が大莫離支の位から、退くのが早いほど希望は大きくなるだろう。そのつもりで補佐するがよい。」
「将軍、褥薩様がお越しです」
「ブ・ギウォンが?」

ブ・ギウォン一行が、ナムゴン一行と鉢合わせ。
ブ「お忙しいですな、位頭大兄」
ナムゴン「将軍がお待ちです。良き座談となりますよう」

ヤン将軍に挨拶して、着席するブ・ギウォン。
「ナムセンが唐に忠誠を誓ったそうです」
ヤン将軍は、驚く。
「続く戦と飢饉で国は疲弊しきっています。そこにナムセンが唐軍として攻め込んできたら、ほぼ間違いなく敗北するでしょう」
「前置きはやめて、本論を申すがよい」
「ヤン将軍が大莫離支になったら、力の限り補佐します。その代わり―ーこの戦を防いでください」
「それは、私には決められぬ事だ」
「高句麗の大莫離支ならできるはずです」
「唐と和睦を結ぶのか?」
「和睦ではなく、戦の代わりに平和を選ぶのです」
「その平和は唐に頭を下げた代償に過ぎん」
「民のためなら、百回頭を下げても恥ではありません」
「民を守るつもりなら、戦って勝つべきだ。それが平和を勝ち取る唯一の方法だ」
「現実は違いますぞ、将軍」
「そなたこそ、現実を見据えるが良い。高句麗の真の平和は誰にも頼らず―ー高句麗の民が一つになった時にだけ得られる」
「それは、将軍の考えです。外交でも十分に平和は守れます」
「高句麗の平和など、唐の眼中にはない。彼らの望みは高句麗の滅亡だけだ。この和睦も高句麗を滅ぼす手段だと分からぬか。私は、五部家の権威と地位を尊重しておる。だが、そなたらのやり方については同意できん。下がるがよい」
ブ・ギウォンは何も言わずに、変な目つきで悔しそうに、にらんでいる。


イ・ヘゴとソル・ゲドウが椅子に座っている。
「シン公に従ってきたのは間違いだったかも。ブ大臣がヤン将軍を説得するのは無理だ」「もう少し待とう」
「そう言わずにまずくなる前に去ったほうが…」
ブ・ギォンとサブクが入ってくる。
「高句麗と唐の和睦は拒否されそうだ」
「さようですか」
「もしや、他に方法があるのでは? 両国の平和を妨げる―ー邪魔を排除する方法だ」
イ・ヘゴは、黙っている。
シン・ホンの声「何があっても、ヤン将軍暗殺を先に持ちかけては駄目です(シン・ホンの映像が挿入される)先に言ったら、和睦を口実とした将軍暗殺計画に気づかれるでしょう」
イ・ヘゴの顔。
「私は、ソリンギ将軍の志を伝える使者です」
「今夜私は、深く絶望させられた。将軍とは話が通じると思ったのに。サブク将軍」
「はい、ヨクサル様」
「ヤン将軍を消すぞ」
「ヨクサル様」
ソル・ゲドウが少しにやりとする。
「誰にも言うな。この事は我らだけで行うのだ。この私が、両国の平和に尽力している事をソリンギ将軍に伝えられよ」
イ・ヘゴは頷く。
「それと、平和の約束を必ず守ってもらいたい」
「(にやりとして)承知しました」

シン・ホンが一人で座っている。
立ち上がってじっと考える。

回想シーン。
ブ将軍が剣を抜く。
テ将軍も剣を抜く。
ブ将軍が掛け声と共に、切りつけ、切り結ぶ。
ブ将軍は剣をさかさまに持ち、テ将軍のほうを向き、テ将軍に剣で刺される。
木陰で見ているシン・ホンは、びっくり。
深手を負ったブ将軍。
テ将軍は、ブ将軍の剣がさかさまなのに気づく。
「なぜ…攻撃しなかった?」
「最後に、お前に―ー最後を見届けて欲しかった。済まない…高句麗を守る者は多いが、私の親を守れるのは―ー私しかいない」
「おい、ブ・ジグァン」
崩れるブ将軍を抱いて泣いているテ将軍。
「ジグァンよ」
それを見て、シン・ホンは子供を女の手から自分の手に抱く。
「子供は私が抱くので、さあ、早く」
逃げるシン・ホンと女。

シン・ホンは、我に返り、衝撃を受けた様子。
ナムセンが来る。
「シン公、何だか契丹族の様子が変だ」
「戦を控えているのです」
「我らに隠れて、何かを企んでいるようだ。何か心当たりは?」
「私には分かりません」
シン・ホンは会釈して、去る。
ナムセンは、取り残されて、わけが分からない。

ソリンギとポンペ。
「ええい、まったく…饅頭の味も分からん。親書を携えて行ったイ・ヘゴから連絡はまだないのか?」
「私の考えですが」
「お前の考えでは何だ? 親書が偽物だと気づかれたのです」
「何? 偽物だと?」
「将軍ではなく、私が代筆した物です。親書とは言えません」
「何だと、こら。親書に違いないぞ。言ったとおりに書いただろう?」
「さようです。ですが、私が代筆した物が、どうして親書ですか?」
「何を言うのだ? もういい、外で仕事をしろ。怪しからん奴」
「外の仕事はありませんが…」
「顔も見たくない。出て行け」
「落ち着いて下さい」
「落ち着けだと? たわけめ、何を言う? まったく…」
ポンペが、立ち上がり出て行こうとすると、シン・ホンと鉢合わせ。
「シン公、何事です?」
「将軍にお話が」
「ちょうど高句麗の事情が聞きたかった。ところで、なぜ李副将から連絡がない?」
「今すぐ、軍を移動なさい」
「軍を移動? 高句麗を攻めるのか?」
「遼河の西部までです。それで十分でしょう」
「長安からは、まだ何の連絡もないのに。そなたを信じて、軍を動かせだと?」
「相手を揺さぶるのです。今を逃せば、高句麗を滅ぼす好機を失います」
「あの…将軍、やはり陛下に知らせたほうが…」
「イ・ヘゴがそなたを信じろと、何度も言っておった。よかろう、そなたを信用しよう。今すぐ遼河へ行くぞ」
「将軍」
「心配するな、イジョク大ソウ管が私に強力な援助を約束なさったのだ(はははは)行くぞ」


平壌城の街中。
旗を立てて、騎馬兵が走りすぎる。
ぼろを着たフクスドルがあわててよける。
「乗馬の下手な奴め」

軍服姿の兵士とテ・ジョヨン。

ポジャン王「契丹が遼河の西部に陣営を?」
ヤン将軍「契丹軍は唐軍の先鋒隊です。先鋒隊が動いたら全面戦が始まります」
「来るものが来たか。早く大莫離支に就かねば」
「その前に遼東へ行って来ます」
「遼東へ?」
「コ・サグに遼東の総司令を任せましたが、この機に軍事編成を完結させます」
「平壌を空けても大丈夫か?」
「チ将軍、オン将軍、イ将軍らに任せます。心配は無用です。軍事編成さえ終えれば、敵は遼東も平壌も狙えなくなるでしょう」
「ヤン将軍が側にいてどんなに心強いことか」
「この戦をうまく凌げば、唐と言えどももはや高句麗を脅かせません」
ポジャン王は、嬉しそうに頷く。

兵士とテ・ジョヨンのところへ、スギョン姫が来る。
「ヤン将軍がお越しに?」
「そうです」
「民を集め、ヤン将軍の押送を止めたのは、テ副将だったとか」
「お恥ずかしい…それより、コム師範に我らを救わせたのは、姫様だと聞きました」
「大事を行う人に、微力を添えただけ」
「微力だなんて、とんでもない。姫様の機転がなければ、今頃どうなっていたことか」
「テ副将にそう言われると恥ずかしいわ」
「そう言えば、もう何度も姫様に助けられました。前に極楽寺でもそうでした」
「あの娘は元気ですか? チョリンでしたね。テ副将と安市城に逃げた―ー唐の間者です」
「ヨンジュへ帰りました」
「ヨンジュへ?」
「契丹の娘です」


安市城の牢獄。
チョリンがいる。
テ将軍たちが来る。
「前に捕らえた契丹の間者です」
テ将軍「女ではないか。聞こう。お前たちが遼河まで進軍した理由は? あの数では遼東は脅かせまい。なのに、何を企んで軍を移動させた?」
チョリン「我らは、ヨンジュの事は知りません」
テ将軍「知らぬ? 自国の事情を知らんだと?」
「本当です。取り調べは無駄でしょう」「黙れ」
「簡単には話すまい。泣きつくまで飢えさせろ」「はい、将軍」
テ将軍は去る。
テ将軍の弟「私がわかるな? ジョヨンの知り合いなら、間者ではないはず。将軍に話して釈放しよう」
「いいえ、前にも彼に避けられました。ここで待てば、知らん振りできないはず」
モゲ「お嬢様」「私は大丈夫です。あの人に話す事があります。それだけ話したら…」
「今ここへ向かっている。事情は知らんが、じきに会えるだろう」

ぼさぼさ頭のフクスドルが顔を出す。

お供をつれて、ヤン将軍が出てくる。
チャン・サネ「ようこそ、将軍」
ヤン将軍「皆いるか?」
「はい、どうぞ中へ」
コルサビウがふくろうの鳴き声に気づき、声のする方へ行く。

塀の外でふくろうの鳴き真似をしているフクスドル。
塀の内側で、コルサビウは首をかしげて、大きな石を持ち上げて、塀の外へ投げ落とす。石がフクスドルを直撃。

コルサビウ「バカ梟め、真っ昼間から泣きおって」
コルサビウは、歩き去ろうとするが、はっとして足を止め、塀を飛び越える。
倒れているフクスドルに気がつき、驚く。
「フクスドル、この野郎、おい、しっかりしろ、死んだか?」
石に付いた血に気づく。
「おい、フクスドル、フクスドル、しっかりしろ」

ヤン将軍「我らは、明日、遼東へ出発する。コム将軍は共に参れ」
「はい、将軍」
チャン・サネ「最近は物騒です。どうか、お気をつけて」
「大丈夫だ。平壌城の事を頼むぞ」
チ将軍「ここの事はご安心を」

頭に包帯をしたフクスドルが、頭を痛そうに押さえて目を覚まし起き上がる。
「いてて…お前…」
「気がついたか」
「お前だな? でかい石で…」
「戻るとは命知らずな」
「分かってる。ナムセンに騙された」
「黙れ、気がついたなら失せろ」
「待て(コルサビウを手で止める)行き場がないんだ。だから、何でもするから。追い出すなよ」
「大将軍が死ぬところだった。ナムセンを逃がしたせいで」
「俺もわかってるさ。それで、川に飛び込んで死のうとも思った。でも、死ぬにはこの力がもったいない。どうせなら、唐の奴らと戦わなきゃ。なあ、コルサビウ、とにかく、ヤン将軍が大莫離支になるなら怪我の功名だろ?(笑い)だから俺を引き取ってくれ」
「それはならん」
テ・ジョヨンが入る。
「我らの権限外だ」
「おい、ジョヨン。いや、テ・ジョヨン(頭を下げる)ここまで図々しく来た事情を察してくれ」
「上の方々が聞いたら、首が飛ぶぞ。さっさと失せろ」
「おい、テ・ジョヨン…、おい、ケドン」
「見つかったら危険だ、気をつけろ、それと、昼間に梟の鳴き真似はよせ」
「おい、この野郎、引き取らんくせに石投げやがって(頭を押さえて)いてて…」

ヤン将軍が出てくる。
「お気をつけ下さい」
物陰から一人の兵士が見ている。ヤン将軍が馬に乗る。
テ・ジョヨンとコム将軍も馬に乗る。


「出発したか?」「はい、今平壌を発ちました。明晩には烏骨城に着くでしょう」
「烏骨城?」「さようです。遼東へ行く途中にあります。逗留するはずです」
「では、そこでヤン将軍を殺すのか?」「ヤン将軍が眠った後、私が寝所へ入ります。そしてーひと思いに…」「失敗は許されぬぞ、しくじったら、私もお前も命はないのだ」
「重々承知しています、国を救うつもりで、ヤン将軍の心臓を狙います」
「行くがよい。そして、ヤン将軍の命を奪うのだ」
「はい、褥薩様(立っていく)」

馬に乗ったヤン将軍一行。

ものを食べながらフクスドルが歩いている。
「もう冬も近いのに、今日はどこで寝るかな…大莫離支、あの野郎のせいで…」
小屋の中に入る。


ソル・ゲトウ「今夜、烏骨城でヤン・マンチュンを…」
イ・ヘゴ「(口に手を当てて)しー。刺客どもは平壌城を発った。ヨンジュへの船はいつ出る?」「明日の昼だ」
「ちょうどいい、詳しい事情を書くからヨンジュへ送れ」
「ちょうど、今夜他の間者と接触するんだ」

夜。
ソル・ゲトウが梟の鳴き真似をしながら、人目を避けつつ人待ち顔で隠れ歩いている。
小屋の中で寝ていたフクスドルは目が覚める。
「まったくどこの梟だか…おや…これは人の声だ。もしや、コルサビウ?」
フクスドルも梟の鳴き真似をする。
ソル・ゲトウが入ってくる。
「もっと早く返事をしろよ。ヨンジュへ行ったらこの手紙を伝えろ。明晩、烏骨城でヤン将軍を暗殺する」「何? 暗殺?」
「待てよ、どこかで見た顔だが…お前所属はどこだ?」
「よく見ろ、この野郎」「この野郎? お前は…あの時の石頭…」
「何、石頭?(殴りかかる)言え、ヤン将軍を暗殺だと? 殺す前に吐け」
「苦しくて…言えるか…石頭め」「よしよし話せ、烏骨城でヤン将軍を暗殺するのは本当か?」
頭突きして逃げようとするソルの足を取って押さえ込むフクスドル。
「放せ、死んじまう」
かみついて、殴り、逃げるソル。追うフクスドル。
「止まれ、止まるんだ」「あの石頭しつこいぞ」
「こら、待たんかい、すばいこい奴め…待てよ、時間がない馬を盗んででも行かねば…」

唐・長安城
「どういうことだ? ソリンギが軍を率いて遼西へ?」
「今、ヨンジュから連絡がありました。間違いありません」
ウィスン「ヤン将軍が大莫離支になります。今、攻めてはなりません」
イメン「陛下、命令に背き、軍紀を乱したソリンギを厳罰に処すべきです
イジョク「陛下、ソリンギを問責するなら、私を処罰なさいませ」
唐の皇帝イ・チ「何を申すか、大ソウ管よ」
「遠征軍の総司令として私が、ソリンギに軍を動かせる権限を与えました」
「それは、なぜだ?」
「彼の能力を信じるからです」
則天武后「陛下、今度だけ、大ソウ管を信じてお任せ下さい」
ソリョンバン「そうなさいませ、むやみに軍を動かすはずはありません」
「まったくどこへ飛ぶか分からん、あのソリンギは」

遼河・契丹の陣営
ソリンギ「この遼河…昔、先帝陛下と共に、遼澤を渡ったのが昨日のようなのに。すでに20年も過ぎてしまった。その後も、何度か遼河を渡ったが、失敗を重ねるほどに、高句麗はどんどんー登れぬ大木となってしまった。とてつもなく高く恐ろしい大木にな」
ソン・マニョン「その大木の根元を切ってやりましょう」
「そうとも、今度遼河を渡ったら、死体となって戻るか、それとも高句麗を滅ぼして、新たな歴史を開いて戻るかだ」
契丹部族長「高句麗を滅ぼし、ヨンジュが契丹のものになったら、北方の歴史は変わります」
「その時は、将軍の御名が、唐と契丹、両国の歴史に刻まれます」
「ははははは、シン公よ、今頃は、ヤン将軍が烏骨城に着いただろう?」
シン・ホン「計画通りなら、烏骨城はヤン将軍の墓場となるでしょう」
「烏骨城がヤン・マンチュンの墓場か。ヤン・マンチュン、奴さえ死ねばよい。さすれば、北方の歴史は、この手で新たに書き換えられる。高句麗のヤン・マンチュンさえ消えればな」

兵士が整列して迎える。
「ようこそ、大莫離支」
ヤン将軍「大莫離支だなんて。今はまだ大模達だ」
「中へどうぞ」
「明日は夜明け前に出発する。準備を頼むぞ」「将軍」
「呼んでおいて何だ?」
烏骨城の城主が、何事か言いたそうだが、ためらっている。



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