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テ・ジョヨン35回目

ソリンギ「皆聞け。夜が明け次第、あの安市城を攻撃するぞ。そして、その先鋒をヨン将軍に任せる」
「断る」
「命令に背く気か?」
「命令される筋合いはない」
「何?」
「これ以上将軍が負け続けるのを座視できん。能力がないなら、指揮権を私に任せられよ」
「何?」
刀を取るソリンギ。
「貴様、指揮権だと? 何…指揮権だあ? ナムセン、おのれ、ナムセンめ。よくも指揮権を渡せなどと…戦で手柄を立てたからと図に乗りやがって。またそんなことを抜かしたら、その頭が首と離れることになるぞ」
「そなたが本当に勇猛な武将なら、部下の命を重んじるだろうが、功名心に浮かれた小者なら、火にいる夏の虫のごとく、安市城を攻撃するだろう」
「何? 夏の虫? 貴様(剣を振りかぶる)」
「やめなさい、いい加減に剣を収めなさい」
「どかれよ、こいつをこの手で殺す」
「我慢して下さい、仲間割れはいけません、将軍、外に兵士たちがいます。こんな姿は見せますな」
「あー、まったく」


シン・ホンとイ・ヘゴが出てくる。
シン・ホン「ここで、安市城攻撃を望むのはbソル将軍だけです。ソル将軍を説得して下さい」
イ・ヘゴ「私は命令を受ける身だ。主の志は変えられない」
「私の主人と契丹の立場は似たようなものです。安市城にてこずれば、我が主は高句麗の統治権を得られません。契丹も同じです。戦で手柄を立てねばヨンジュを得られないでしょう」
「だが、何の名分で将軍に撤退を求める?」
「名分は作ればいいのです」
「方法はあるのか?」
シン・ホンがイ・ヘゴの耳にこそこそ話。


ソリンギ「ナムセンめ、お偉くなりやがって、私の指揮権を狙うとは」
ポンペ「とにかく大変です。大ソウ管も大敗し、明日の総攻撃まで失敗したら…この戦も失敗しそうで恐ろしいです」
「おい、こら、縁起でもないぞ」
イ・ヘゴ「(入ってきて挨拶する)将軍、お話があります」
「話すがよい」
「明朝の安市城攻撃を中断なされば」
「何だと? お前もナムセンの味方か?」
「私は、あの安市城に、我が誇りのすべてをかけた。そなたもこの気持ちが分かるはずだ」
「安市城は容易には落とせません。間違えば、誇りのための戦で、将軍のすべてを失い得ます」
「すべてを失っても仕方ない。私は誇りまでは、捨てられん」
「将軍、名分と実利を共に得られる方法があります。誇りも得られ、功も立てられる方法ですぞ」
「誇りも得られ、功まで立てられる?」
「まずは、最小限の兵力を残し、撤退なさいませ」
ポンペ「何を申すか、奴らを残して、撤退なんて」
「安市城は、後から陥落させても遅くはありません。今、劔山城では、大ソウ管の軍が苦戦を強いられています。我らが敵の背後を討てば、一気に城を陥落できます」
「そう…その通り。まさにそれだ。続けろ」



安市城で、敵陣を見つめるテ・ジョヨンに、フクスドルとコルサビウが近付く。
フクスドル「この野郎、コルサビウ、お前のせいだ。止めなかったら、ナムセンを殺せたのに」
コルサビウ「助かっただけ、幸いと思え。軍律通りなら、とっくに首が飛んだぞ」
「まあ、それは感謝する。一度は死ぬ身だった。粉々になろうとも唐の奴らと戦うぞ」
テ・ジョヨン「(敵陣の方角から振り向いて)何かが変だ」
「何が? 何が変なのだ?」
「数日前から動きがない。兵士たちの位地が同じだ」
「俺が見てくる。フクスドル行くぞ」
「おい、待てよ」


フクスドルとコルサビウが兵を従えて、馬で進み、ある場所で止まる。
コルサビウ「行くぞ」
戻っていく。


安市城会議。
「将軍、間違いありません。チュビル山の敵陣はがら空きです」
テ・ジュンサン「遠目から見える兵士は?」
フクスドル「あいつら案山子を立てて、兵士に偽装させていました」
「何、案山子?」
「高麗城を出る時に、我らが使った方法です」
コ・サグ「では、奴らはどこへ行ったのだ?」
「当然、唐の本軍と合流したはず」
コム・モジャム「ですが、腑に落ちません。ただの撤退なら我らを騙す必要はないはず」「まさか…奴らは…」
「どうした?」
「今、中部戦線では敵と接戦中です。奴らが密かに南下し、奇襲をかけたら…」
「劔山城…チ将軍が危ない」


チ将軍たち。
「イジョクの軍が動く気配はありません」
「腰を抜かしたのでしょう、ここまで応戦するとは予想外のはず」
チ・ミョンチョン「奴らを防げなければ、平壌城が危険だ。このまま一人も南下させてはならん」
オン・サムン「もちろんですとも」
そこへ、火矢が飛んでくる。
次々に倒れる高句麗兵。
「奇襲だ、唐軍が奇襲を始めたぞ」
チ将軍「持ち場を守れ、敵は先鋒隊に過ぎん。落ち着いて応戦せよ」
「将軍、ご覧下さい」
「どうして、南門から火の手が…」
「そんな…、敵が南門へ移動したとは聞いておりません」
「将軍、将軍、南門が突破されました」
「何だと? 南門が突破された? 奴らはどこから来たのだ? ここはお二人に任せる。南門から来た唐軍は私が防ぎに行く。さあ私に続け」
「はい」
逃げ惑う民。
南門付近。
侵入したソリンギ、イ・ヘゴ達の軍と、チ将軍が対峙する。
ポンペ「(剣を構えて)何者だ?」
チ将軍「高句麗の模達であり、都城守備隊の総司令チ・ミョンチョンだ」
ソリンギ「チ・ミョンチョン? お前がチ・ミョンチョンか
チ将軍「問答無用。奴らを殺せ」
ソリンギ「討て」
両方の軍が入り交じって、戦う。
チ将軍に跳び蹴りし、追い詰めて、傷を負わせ、首に刀を突きつけるソリンギ。
チ将軍「貴様ら…この蛮族め」
ソリンギ「先に逝って、高句麗の滅ぶ姿をしかと見るがよい。ポンペよ」
ポンペ「はい(後ろからチ将軍に斬りつける)」
チ将軍「(背中に深手を負って倒れながら)我が高句麗を…、高句麗を…」
ほっとしてため息をつくソリンギ。しかし、急に焦ってぴょんぴょん跳び始める。
ソリンギの足に火が付いていて、足をこすり合わせて、消そうとするソリンギ。


テ将軍が部屋の中にいる。
声「父上、私です」
テ将軍「お入り」
テ・ジョヨンが入って、一礼する。
「出発の準備はできたか?
「はい」
「劔山城が落ちたら、中部戦線は崩壊したも同然。平壌城を死守することが、高句麗を守る唯一の道だ」
「ですが、遼東はがら空きになります」
「私とトルバルが残る。コ将軍の補佐を頼む。そして、自分の任務を果たすのだ」
「肝に銘じます」
一礼をして、テ・ジョヨンは出て行く。

ソリンギの会議。
「まさか、ソル将軍が来るとはな」
「申し訳ありません。敵を騙すには、機密保持が大事だったので…」
「ところで安市城は諦めたのか?」
「何度言えば分かる? この作戦のために涙をのんで撤退したのだ」
「結局、今回も安市城を落とせなかったのだな」
「違う、落とさなかったのだ。劔山城を落とすために…」
「もう、いい加減にせい、とにかく、平壌城への道が開けた。そなたらの功は忘れぬぞ」「私は何もしていません。すべての知略は、イ・ヘゴ副将の頭から出ました」
「イ・ヘゴ?」
イ・ヘゴ「とんでもない」
「この戦で諸君は大いに戦力になった」
イ・ソンチュン(契丹部族長)「高句麗が滅んだ時、我らをお忘れなきよう」
「もちろんだ。決して忘れるものか」
「ありがとうございます」
チョリンも嬉しそう。
「ところで、ヨン将軍はなぜ何も言わぬ?」
ヨン・ナムセン「雑談する心境になれません。平壌城が目前なのですぞ」
ソリンギの忌々しそうな顔。


平壌城の宮殿。
「どういうことだ、劔山城が陥落した? チ将軍が戦死しただと?」
「陛下。我らは皇命を全うできませんでした」
「処刑して下さい。どうか、処刑を」
ポジャン王「中部戦線が崩壊した。今後はどうなる? 誰かが唐を防ぐべきだろう?」
ヨン・ナムゴン「陛下、今は城外に出兵できません」
ケジン「さようです。漢城以南にいる新羅軍がいつ襲うか分かりません」
チャン・サネ「しかも、軍需品や食糧も不足しています。おいそれと出兵できません」
「何ともどかしい。唐が来るのに座視するしかないのか?」
サブク「(入ってくる)陛下、陛下、申し上げます。今、遼東から援軍が着きました」
「援軍? 統領が援軍を送ったのか?」
「はい、陛下」
ブ・ギウォンの変な顔。

コ将軍を先頭にして、テ・ジョヨン、フクスドルらが平壌城の中を歩いて宮殿に入る。

コ将軍「陛下、コ・サグ以下諸将がご挨拶申し上げます」
「ご挨拶申し上げます」
ポジャン王「よく来た。今、平壌城は危機に瀕しておる」
「それを聞いて、飛んで参りました」
「ありがたい。皆の忠誠心に感謝するぞ」
「恐れ多うございます」
「じきに唐の大軍が来るだろう。国運をかけた大戦が始まるのだ。他に方法はない。何としてでもこの平壌城を守り抜くのだ。よいな?」
「はい、陛下」
テ・ジョヨンの顔と、ブ・ギウォンの顔。

ナムゴン「知っての通り、今の平壌城は最悪の状況だ。軍需品も兵士も何一つ満足なものはない」
「遼東の状況も同じです。新城や扶余城など、遼東の半分は唐の手中に落ちました」
「新羅も問題です。唐と連合して百済を攻めた時は、5万の軍を送りました。ですが、この戦には何と20万の大軍を送りました」
「一つ幸いなのは、平壌の軍と民の意思が固いという事です」
「それだけでも大したものだ。結局は民と共に守らねばならん。今日から死力を尽くして万全に期すのだ」
「はい、大莫離支」
「ジョヨン、そなたは残れ。さるお方がお呼びだ」

ポジャン王とスギョン姫、ナムゴン。
テ・ジョヨンが着席する。
ポジャン王「急ぎ調べたい事があってな。烏骨城の一件だ」
「お前は、最後まで大将軍を守った。暗殺についてお前の考えを聞きたい」
「誰が犯人だと思う? お前の思う犯人は誰だ?」
「私には分かりません」
「分からぬ?」
「推測だけでは申し上げられません」
「お前の考えを聞いておるのだ」
「敢えて申し上げるなら、犯人は唐の奴らです。倒した者が誰であれ、ヤン将軍が憎んだのは、この国を脅かす唐だったからです」
「そなたが言わずとも、陛下にも心当たりがある」
「申し訳ありませんが、今は心を合わせる事をお考え下さい。心を合わせ、国を守れるなら、炎までも抱き込むべきです」
「そのとおりだ。今こそ、文武臣下と民が力を合わせる時だ」
「はい、陛下」
「久しぶりに、心強く思った。その忠心を変えるでないぞ」
「皇恩の極みにございます」
声「陛下、コム将軍です」
「通せ」
コム将軍「陛下、急報です。イジョクの大軍が来ました」


蛇水。
唐の陣営。
イジョク「我らがここに着く前に、遼東城城主のコ・サグの援軍が着いた」
「一足遅れました。先に来て、平壌城を孤立させるべきが…」
「しかし、心配は無用でしょう」
「なぜだ?」
「報告によると、軍需品はなく、兵だけが着きました」
「そうだろう、遼東も苦しい状況だ」
「平壌の最大の問題は、干ばつで食糧が不足している事です。いくら援軍が多くても、食糧不足ならむしろ邪魔です」
ソリンギ「それは、可汗の言うとおりだ。待つ事はありません。今すぐ攻撃命令を。大ソウ管」
ナムセン「いいや、いくら優勢でも平壌城を甘く見てはならん。敵勢を詳しく調べた後で、攻撃しても遅くはない」
イジョク「ヨン将軍の言うとおりだ」
ソリンギ、咳払い。
「軍馬を休ませ、戦列を整えろ。敵の状況を把握したら、総攻撃に移る」
「はい、大ソウ管」
ソリンギとナムセンにらみ合う。


チョリンが剣の手入れをしているところに、イ・ヘゴ。
「チョリン、無理しすぎじゃないのか?」
「今度が最後だから。必ず高句麗を滅ぼして、ヨンジュを得る」
「もうすぐだ。我らの流した血と汗が実を結ぶだろう」
「兄上、契丹がヨンジュを得たら、私は部族を去るだろう」
「どういう事だ? 馬鹿を言うな。お前は部族を導く可汗になる身だ」
「部族のためなら、私より兄上が適役だ」
「チョリン」


鎧姿のコ・サグ将軍達。
「城郭の規模や堅固さでは、安市城や遼東城に引けを取らん」
テ・ジョヨン「この平壌城は、一度も陥落していない難攻不落の城です。皇宮のあるところだ。このくらいでないと」
コム将軍「(馬に乗って近付く)将軍、将軍、将軍、すぐ皇宮へ行って下さい」
「何事だ?」
「敵陣に使者を送るそうです」
「使者だと?」
「会談を行うつもりです」
「何と、愚かな。まだ奴らを知らんのか?」



ポジャン王の会議。
王「前にも遼東に使者を送った事があった」
ブ・ギウォン「彼らの行方は誰も知りません。きっと敵陣に着けなかったか、事情があったはず」
ナムゴン「一体、奴らと何の会談を?」
「ご存じでしょう。国を救う平和会談です」
コ・サグ「話にならん、奴らは高句麗を滅ぼすために、来たのだ」
「陛下、今の高句麗の兵力では、唐の大軍を防ぎきれません」
「では、使者を送れば、敵は退くのか?」
「少なくとも無謀な戦から民を救えるでしょう」
王「誰が行くのだ?」
ソンギョム「陛下、西部辱薩のソンギョムが参ります」
「ソンギョムが?」
「陛下、戦時中に敵陣へ行くとは、大した勇気です。我らの忠誠心をお察し下さい」
「できるのか?」
「国を救う事です。身命を尽くします」



ブ・ギウォン一行の前に立ちふさがるテ・ジョヨン達。
ブ・ギウォン「皇命を遂行中だ。城門を開けろ。聞こえないのか、早く城門を開けろ」
テ・ジョヨン「(剣をおろして)城門を開けろ。心を開くなら、まず相手をよく知るべきです。大臣は相手を間違えました。友になるには、奴らによる被害が多きすぎます」
「この世は、力と勇気だけで回るのではない。お前のような青二才が世の理を知る由もない。よく見ておれ。お前たちは、敵と戦う事はできても、敵の心を掴む事はできん。それが年齢と経験の差だ。しかと見て学ぶがよい。行きましょう」


唐の陣営。
イジョク「ブ大臣と約束したのか?」
ソリンギ「約束ですと? 何の約束です?」
「この手紙に両国の和睦に関する条項がある。そなたらが密約を交わしたとあるが」
「それは初耳です」
「何をおっしゃる。そちらの要求にすべて従ったのだ。唐と高句麗の平和のためにな」
「帰って伝えよ。両国間の戦をなくすには、どちらかが滅ぶべきだ。高句麗を滅ぼそうとするのも、天の下で平和をなすためだ」
ソリンギ「大ソウ管、伝える必要もありません。あの者の首を斬って、平壌城へ投げ入れて来い。それで十分答えになるだろう」
ソンギョム「貴様ら、禽獣でも守るべき道理がある、天を恐れぬか」
「うるさい、者どもさっさと首を斬れ」
「はい、将軍」
兵士らが、ソンギョムを捕まえる。
「放せ、死んでも貴様らを許さんぞ。邪悪な蛮族どもめ」
「何をしておる。早くせい」
「貴様ら、放せ、放せ」
ナムセンの顔。
「皆、よく聞け」
「はい、将軍」
「あの者の首が宣戦布告となるだろう。平壌城を総攻撃する。戦闘準備を」
「はい、大ソウ管」
にやりとするソリンギ。


コ・サグ将軍達が平壌城から眺めている。
城壁に、騎馬兵が近付く。
コム将軍「何者だ?」
イ・ヘゴの顔。
「何者かと聞いておる」
イ・ヘゴ「我が唐から、高句麗への贈り物だ」
黒い包みを補折り投げるモゲ。
「こちらに来た高句麗の使者の首だ。和睦に対する我が唐の答えはこれだ、持って行き高句麗王にはっきり伝えよ、この者の運命のように、高句麗の国運もあとわずかだと」
高句麗陣営、びっくり。
イ・ヘゴ「行くぞ」
フクスドル「あの野郎、待たんかい」
テ・ジョヨン「首を持ってこい」


テ・ジョヨンは、首を持ってポジャン王の御前会議へ。
「陛下、ソンギョム大臣の首です」
「一体…どういうことだ。何か話せ。ブ大臣。一度ならずも、なぜソンギョムまで死なせた?」
ブ「陛下」
「これが、ブ大臣の言う外交術か? これが和睦なのか? 何とか言うがよい、ブ大臣」「陛下、すべては、愚かな私のせいです。処刑して下さい」
一同「どうか、処刑を、陛下」
「実に悔しくも恥ずかしい。あの蛮族どもが朕をどう思い、我が高句麗をあざ笑っただろうか」
「陛下、今死んでも文句はございません。しかし、奸悪な唐軍と戦う機会を下さい。国のためなら、何でもいたします」
ケジン「さようです。今から、全五部家の臣下は、家の穀物倉庫を開放します」
ブ「家財だけでなく、武器を持てる家来も皆戦線へ送ります。お収めくださいませ」
一同「お収めくださいませ」
声「(遠くから駆けつけながら)陛下、陛下、唐軍が押し寄せて来ます。総攻撃が始まりました、陛下」
王、テ・ジョヨンびっくり。
ケジン「何…総攻撃…」

唐の大軍の中に、イヘゴ、チョリン、モゲ、ソリンギ、契丹部族長が先頭に馬に乗っている。

ナムゴンも加わって、高句麗武将全員が、鎧兜姿で、城から見下ろしている。

コ・サグ「一見しても数十万の大軍です」
「唐の全軍が総動員されました」
ナムゴン「平壌城を一気に攻めるつもりだ。城門を突破されてはならん、持ち場を守り、敵を一人も近づけるでないぞ。よいな?」
一同「はい、大莫離支」
フクスドル「あそこをご覧下さい」


数人の騎馬兵が前に出る。
「平壌の武将は聞け。今までお前達は、恐れ多くも天孫を自称し、傲岸不遜な行いをしてきた。これに対し、我が皇帝陛下は、高句麗を滅ぼし、天下の秩序を正せと命じられた。城門を開けて降伏する者は生かすが、抵抗する者は死を免れんぞ」


ナムゴン「唐の蛮族どもはよく聞け。高句麗は天孫として、そなたらに慈悲を施した。だが、国を蹂躙し、使者を殺した極悪非道な唐に、これ以上の慈悲は無用だ。者ども、奴らを殺せ」
テ・ジョヨン達が火矢を放つ。
唐兵が火矢を受けて倒れる。
「退却だ、皆、退け」
ソリンギ「将軍」
イジョク「偉大なる唐の武将よ、総攻撃せよ」
ソリンギ「総攻撃だ」
イ・ヘゴ「イヤー」
イ・ヘゴやチョリンも剣を抜く。

コ・サゲ「持ち場を死守しろ」
「はい、将軍」

太鼓が鳴らされ、城壁から矢が放たれる。
唐兵がばたばたと倒れる。
ナムゴン「高句麗の先史よ、ひるまず戦え」
唐軍は大きな機械で、火の玉を投げ入れる。
はしごをかけて、城壁をよじ登る唐兵。
火矢が飛び交う。
ソン・マニョン「皆、攻めるのだ」
唐の猛攻撃に防戦する高句麗。
ナムゴン「城門を死守せよ。決して破られるな」
「攻撃せよ、どんどん登れ」
チョリン「攻撃せよ」
猛烈な戦闘シーンの中、城壁のテ・ジョヨンを見つけて、立ちすくむチョリン。
テ・ジョヨンもチョリンに気づく。
目が合う二人。
しかし、再び戦い始めるテ・ジョヨン。
それをみて、チョリンも号令をかける。
チョリン「平壌城を攻め落とせ」
イ・ヘゴが、次々に高句麗兵をなぎ倒す。
ソリンギ「衝車は何をしている。城門を破れ」
城門に、大きな衝車をぶつけて、攻撃する唐軍。
契丹部族長「攻撃せよ」
コ・サゲ「蛮族どもを皆殺せ」
衝車に、城壁から油をまいて、火矢を放つフクスドル。
火だるまになって、落ちる唐兵。
城壁にたてかけられたはしごを押し倒す高句麗兵。
モゲ「契丹戦士の闘志を示せ」
ソリンギ「おのれ、者ども、城壁を登れ(はしごを登り始める)」
ポンペ「攻撃せよ」
城壁にたてかけたはしごの一番上で、火の付いた刀で戦っているソリンギ。
それを見たテ・ジョヨンが矢を射る。
矢に気付き、防いだ手に矢を受け、下に落ちるソリンギ。
ポンペが駆け寄る。
「将軍」
「くそっ」
「大丈夫ですか?」
「何のこれしき…(矢を抜き、捨てる)あー、何をしておる、登るのだ、攻撃せよ」
イジョク、驚いている。
「(イジョクに駆け寄る)将軍、兵の損失が甚大です。退却命令を」
「奴らめ…」
「時間がありません、全滅しますぞ、将軍」
「おのれ、高句麗め…」


林の中をかける高句麗の旗を持つ騎馬兵達。
テ・ジュンサン将軍がうろうろしている。
声のみ「兄上」
「平壌城はどうなった?」
「大勝です。連日の戦で、唐は連敗しています」
「兵士だけでなく、民や臣下たちまで共に戦っています」
「信じられん、高句麗が昔の強かった頃の姿に戻った」


唐・長安城。
「何とか言ってみよ。高句麗は枯れ木も同然だ。なのになぜ平壌城を落とせないのだ?」則天武后「陛下、お体に障ります」
李治(唐の皇帝)「話にならんではないか。軍も食料も、何一つ劣る物はないのに、何が問題なのだ?」
イメン「言いにくいのですが、高句麗の臣下全員が、全財産を軍需品として出したのです」
ウィスン「のみならず、兵も馬も一丸となって、戦場に出ています」
「うーむ、何としぶとい奴らだ。一体どこから、そんな力が?」
則天武后「陛下、高句麗は起死回生を繰り返してきました。平壌攻撃に手間取っては、予期せぬ状況に陥る恐れがあります」
「そうだ、高句麗には油断してはならん」
「息の根を止める方法があります」
「早く申せ、皇后」
「新羅を使うのです」
「新羅、新羅を?」
「新羅は、同盟国の役目を果たしていません。高句麗南部の攻撃も振りだけでした。それに大角キム・ユシンは健康を理由に帰国しました。高句麗攻撃に参戦するよう圧力をかけるのです」
「良い案だ、どうして我らだけが血を流せよう」
「さようです。すぐに新羅に使者を。新羅が加わるなら、平壌城以上の強固な城でも崩れるでしょう」
「新羅、新羅か…」



唐の陣営。
「すべてソル将軍のせいだ」
「何? 私のせいだと?」
「そなたが使者を殺したせいで、敵の士気が上がった」
「こら、たかが使者一人で」
イジョク「ソル将軍の言うとおりだ。その事で、平壌城の臣下が団結してしまった」
「皆で殺そうと同意しておいて…言ったではないか、使者を殺して、敵の士気を挫こうと」
「私は言ってない」
「何を言う、この耳ではっきり聞いたぞ」
ポンペ「申し訳ありません、私が言いました」
「何…ポンペ、お前、ポンペ、貴様…私の大失敗だ。私のせいだから、何とか突破口を開きましょう」
イジョク「ところで、ヨン将軍は部屋に籠もりきりか?」
部族長「平壌城攻撃に乗り気でないようです」
ソリンギ「将軍、いつまでヨン将軍を庇うのです?」
「この戦の一等功臣だ、放っておけ」


ヨン・ナムセンの部屋。
シン・ホン「だんな様への視線が思わしくありません」
ナムセン、何杯も酒を飲んでいる。
シン・ホン「あとは、平壌城だけです。もうすぐ望む物が手に入ります」
ナムセン「(フンという顔)ここに来てから、毎夜のように父上が現れる。いっそお叱りなら、耐えられる。しかし、父上は私にすがって、泣かれるのだ。父上が涙なさるのだ。死の前でも動じなかった父上が…私にすがって、子供のように大声で泣くのだ(酒をあおる)放って置いてくれ。いっそ平壌が早く落ちて、この身も朽ちてしまいたい(ため息をつき、酒をあおる)」


平壌城。
騎馬兵が走る。
戦いの跡が残る戦場。
テ・ジョヨンが、唐の旗を蹴落とす。戦いの終わった戦場を歩く。
コ・サグ達。
テ・ジョヨンの声「将軍(テ・ジョヨン達がかけつける)今の伝令は何です?」
コム「漢城からの急報だ。新羅が動いた。20万の大軍が漢城とその周辺を攻め始めた。平壌に着くのも時間の問題だ」
唖然とするテ・ジョヨン。

西暦668年新羅の文武王は、20万の大軍で高句麗を攻撃し始めた。新羅は高句麗の副首都漢城を落とし、破竹の勢いで、黄海道一帯を攻めた。そして、ついに新羅は、平壌城へ至り、唐の大軍と合流した。

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