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テ・ジョヨン38回目

民の一軍が歩いている。

先頭にはテ・ジョヨンとコ・サゲ。
遼東城から、テ・ジュンサン将軍が出てきて挨拶する。
「ようこそ、将軍。(固く握手する)大変でしたな」

テ・ジュンサン将軍は、傷だらけのテ・ジョヨンやコルサビウ、フクスドル、スギョンを見て、ため息をつく。
テ・ジョヨンは目を伏せる。

(ナレーション)西暦668年、唐と新羅の挟撃によって、平壌城は陥落され、高句麗はついに滅んでしまった。
高句麗最後の大王、ポジャン王は、自殺を図ったヨン・ナムゴンと共に、唐へ流された。
(映像)縄をかけられたポジャン王、ナムゴン達が歩いている。

(ナレーション)一方、唐は5部176城、69万戸に達する高句麗全域を、9都督府42州100県に改編し、平壌城に安東都護府を置いて、高句麗全域を治めさせた。唐は、ソリンギを検校安東都護に任命し、安東都護府を治めさせたと、「三国史記」にある。
この安東都護府の弾圧政策は、長い凶作で苦しんでいた高句麗の民の暮らしを、さらに惨めなものにした。これに対し、高句麗の各地では抵抗の動きが始まり、安市城のある遼東は最も強力な抗唐勢力の一つとなった。

米らしき荷物を運ぶ唐の兵達を、岩陰からテ・ジョヨン達が見ている。
弓を構えて、狙い、唐兵を倒すテ・ジョヨン達。

安市城下で、スギョン達が米を民に配っている。
「さあ、並んで」
通りかかったテ・ジョヨンがスギョンの隣に立って、米を配り始める。
「順番を守って」

将軍「遼東城からコ将軍が来た」
テ・ジョヨンは、その後についていく。


武将達が着席する。
「ははははは、今度はクム城行きの兵糧を奪ったのか?」
「はい」
「そなたのお陰で、安市城はましな方だ」
コ・サグ「噂によると平壌の安東都護府が、民から血税を絞り取っているそうだ」
テ・ジョヨン「飢えて死ぬ民が一日に数百を超すそうです」
「安東都護府の首将はソリンギです。高句麗を目の敵にしている奴だ。今すぐにでも軍を集めて安東都護府に攻め込みたい」
テ・ジュンサン「(首を横に振る)まずやるべきことは、我らの軍力を回復する事だ。だが、各地に散らばった抗唐勢力を集めるのも大変だ」
テ・ジョヨン「このままでは、唐が先に遼東征伐を始めるかも」
「ソリンギならやりかねないだろう。度重なる兵糧強奪で頭にきているはずだ」
「ソリンギ…よりによって奴が安東都護府の首将とは」


唐の旗がひらめく安東都護府。
ソリンギ「これで何度目だ?」
「落ち着いて下さい」
「落ち着けだと? 何度も兵糧を奪われて、冷静でいられるか」
イ・ヘゴ「遼東全域に警戒令を出しました。もう兵糧を奪われる事はないでしょう」
「今度も安市城の奴らか?」
「はい、将軍」
「あー、あの時安市城を潰しておけば…この安東都護府が安定したら、私が直接安市城を叩きに行こうぞ」
契丹部族長「将軍、我ら契丹族はヨンジュへ戻ろうと思います。だが、まだヨンジュに関して本国から何の達しもありません」
チョリン「教えて下さい。、いつヨンジュを下さるのです?」
「可汗、当然、ヨンジュは、この私が何としてでも契丹に渡そうぞ。だが、よく考えてみよ。今、高句麗の各地で雨後のタケノコのように抗唐勢力が現れ、遼東では安市城の奴らが幅を利かせている今、朝廷が私の要求を聞くと思うか? 可汗、今少し助けてほしい。有終の美を飾るべきだ。もう少しだけ頼む」

唐 長安城

皇帝「遼東では、兵糧の強奪が後を絶たん。ソリンギは何をしておる?」 
「陛下、高句麗の地はとても広いのです。全域の掌握には時間がかかるでしょう」
「流民が力を合わせて歯向かったら、どうするつもりだ? 王朝が滅んだとはいえ、民がしぶといのは周知の事実だ」
ウィスン「悩む事はありません。
「何か良い考えでも?」
「民が問題なら、捕らえればいいのです」
「民を捕らえる?」
「昔から、禍根を残さぬため、敗戦国の民を押送しました。高句麗を跡形なく消すには、最良の方法でしょう」
「そのとおりです」
イメン「陛下、民は国力です。流民の中から、唐に役立つ者を選び出せば、それこそ一石二鳥です」
イジョク「陛下、今すぐソリンギに皇命をお伝え下さい」
「陛下、流民の押送は、安東都護府だけに任せられません。多くの民を押送するには、高句麗を知る者が行うべき」
「誰か適任者がいるのか?」
「高句麗滅亡に貢献したヨン・ナムセンです」
「ヨン・ナムセン?」
「さようです」
「陛下、安東都護府の首将はソリンギです。この事はソリンギ将軍に任せるべきです」
イジョク「ソリンギは都護府すら治められていない。彼は力不足です」
「ナムセンは、安東都護府の座を狙っている」
「だからこそ、任せるのです。都護府の座を狙う彼なら、任務に身命を尽くすでしょう」

ナムセンとシン・ホンがテーブルに対座している。
ナムセン「私にそれをやれと?」
「どうせ、誰かがやる事です」
「流民まで押送したら、高句麗は復興の火種まで消される」
「ですが…」
「この流民政策の目的は、数万の高句麗の人材を奪う事だ。その意図通りに、学者や技術者や芸人まで奪われたら、高句麗は抜け殻になる」
「皇室の信頼さえ得られれば、安東都護府を取り戻せる絶好の機会になります」
「安東都護府を手に入れれば、当初の計画はもはや夢ではなくなります。唐を追い出し、新たな高句麗を成すという遠大な夢です」
「安東都護府か。安東都護府…」



高句麗の旗を持った騎馬兵達が走る。

高句麗陣営。
「将軍、(入ってくる)将軍、間者から報告が届きました」
テ将軍「民が押送されるのは本当か?」
「間違いありません」
「何と、その数は20万以上です」
コ・サゲ「20万? 我が民を20万も連れて行く気か」
「のみならず、その責任者はナムセンです」
テ・ジョヨンが驚いて顔を上げる。
「ヨン・ナムセン・・・」
「あやつ、国を滅ぼしたと思ったら、最後まで・・・」
「抗唐勢力を討伐する代わりに、民を連れ去るのか。唐め、小賢しい真似を。高句麗を抹殺するつもりだ」


唐の陣営。
「唐から持ち込んだプーアル茶です。お試し下さい」
「どれ・・・(飲む)味も香りも格別だ。ところで、今度は流民を連れに来たとな?」
「さようです。数回に分けて20万人を押送します」
「20万だと? そんな事なら、我らに任せればいいのに」
「ソリンギ将軍、助力を頼みます」
ソリンギは、咳払いして、茶を飲む。
「陛下は、この件に関心を示しておられます。失望させてはなりません」
「おや・・・、この茶は後味がよくないな」
「可汗にも助力を頼みたい」
「我らがですか?」
「流民の選別と押送を頼みます」
「我らはソリンギ将軍だけに従います」
ソリンギ「うん、オホン、まったく、何と渋い茶だ。可汗、助けてやりなさい」
「契丹においても、損はないでしょう。これは皇室が直接主管する重大な事案です。契丹が功を立てれば、皇室もこれ以上は、契丹の要求を無視しないはず」
「うん、あー、無視できぬだろうな」
「やる事は山積みです。具体策は私の寝所で相談しましょう。では、これで下がります」ヨン・ナムセンと契丹部族長が下がる。
見送るソリンギ。

ソリンギ「(テーブルを叩き)ヨン・ナムセンめ、私に挑戦してくるとは」
ポンペ「まったくです。都護府の座を狙っているのです」
「ポンペよ、ナムセンをしっかり監視しろ」
「承知しました」
「私の座を狙うとは、身の程知らずめ。ヨン・ナムセンごときが」


テ・ジョヨンが部屋の中を歩き回っている。
ヤン将軍の声「万が一、国運が尽きて、王朝が終わろうとも」

(回想)
ヤン将軍「民が死なぬ限り、その国は、いつかきっと再起できる。百済が復興に失敗したのも、民を守れなかったからだ。私の話を肝に銘じよ。常に民とすべてを共にすれば、お前がどこで何を夢見ても、その夢は必ず成就するだろう」
テ・ジョヨン「この胸に刻みつけておきます」
(回想終わり)

声「何と言われようと、自分のやり方を信じる」
(回想)
ヨン・ナムセン「お前のやり方で行け。私が正しかったと知った時ー、私を補佐するがよい」
(回想終わり)

テ・ジョヨンが立ち上がる。
フクスドルとコルサビウが入ってくる。
フクスドル「四日後に、蓋牟城へ兵糧が郵送されるそうだ」
テ・ジョヨンは、無言。
コルサビウ「何かあったのか?」
テ・ジョヨン「父上はどこに?」
コルサビウ「執務室だ」
「そなたらは出発の準備を」
フクスドルとコルサビウは顔を見合わせ、テ・ジョヨンは部屋を出て行く。

書物を読んでいるテ・ジュンサン将軍。
声「父上、ジョヨンです」
「お入り」
テ・ジョヨン、入り、一礼する。
「夜更けにどうした?」
「夜が明け次第、平壌城へ行ってきます。どう考えても方法がありません。このままでは民を奪われてしまいます」
「お前が行っても何も変わらん」
「ヨン・ナムセンに会います。以前、安市城に来た時、私に話した事があります」
「ナムセンは国を滅ぼした元凶だ。奴の話など信用できるか」
「今、遼東に出来る事は何もありません。民を救うためなら、藁(わら)でも掴むべきです。コルサビウたちが共に行きます。どうか許可を」
「国を奪われたのは一瞬だが、取り戻すには長い年月と忍耐を要すものだ。決して慌てず、軽率な行動を取るな」
「肝に銘じます」
一礼して出て行くテ・ジョヨン。


フクスドルとコルサビウがいる。
フクスドル「おっ、コルサビウ、食料の準備は?」
コルサビウ「それは、下っ端のお前の仕事だ」
「下っ端? 嘴(くちばし)の黄色い奴が。お前、干支(えと)は?」
「お前から言え」
「俺? 俺は、亥(いのしし)だ
「亥か、亥・・・。俺は戌だ」
「戌だと?(賢明に指を折って数える)」
「俺より一才も年下のくせに(手でフクスドルのほおをなでる)」
「今のは、ナシだ。もう一度お前から言え」
テ・ジョヨンが来る。
「準備は出来たか?」
「こいつ、食料を忘れてた」
「早くしろ」
テ・ジョヨンは去る。
コルサビウ「一才も年下のくせに。今後は注意しろよ。一才も年下の奴が・・・」
「おい、コルサビウ、俺、亥やめる。もう一度干支を言え」



テ・ジョヨン達三人が馬を走らせる。

民が兵に引きずり出されている。
イ・ヘゴとチョリンが見ている。
民の中に、ぼろをまとったブ・ギウォンとサブクが、縄をかけられて混じっている。

ソリンギ「捕らえた民の数が、もう数百以上だと?」
ポンペ「はい、契丹族が先頭に立って捕らえています」
「生意気な。ナムセンめ、私の手足を切るとは・・・」
「手足ですか?」
「こら、一瞬で契丹族を味方につけただろうが」
「陛下の主管なさる大業です。我らが押し出されてはなりません」
「そうだ、そのとおりだ。これは何かが間違っている・・・」



安東都護府。

中庭に多くの民が座り、その周りを兵が取り囲んでいる。
「今から各自の特技別に分ける。中でも技術者はよい待遇を受けられるぞ。だが、何の取り柄もない者どもは、荒野へ連れて行かれ、一生地を耕す奴隷となるだろう。ゆえに、自分の実力を隠さず明かすがよい」しゃべっているのはソル・ゲトウ。
モゲ「城を築造できる者は立がよい」
四人が立つ。
「向こうへ」
「さあ、鉄を扱える者は立て。これだけか。後ろの方へ行け」
三人立ち、更にもう一人立つ。
ぼろをかぶり、顔を隠したサブクとブ・ギウォンが並んで座っている。
サブク「どうしましょう?」
ブ「黙っていろ。ナムセンに見つかったら命が危ない」
シン・ホンに気付き、慌てて下を向く二人。

牢獄の隅に、サブクとブ・ギウォン。
サブク「技術者は別に収容されました。このままでは一生奴隷です。ソリンギに正体を明かした方が・・・」
「こら。ケジンたちが殺されたのを見ただろう。ソリンギに騙されたと思うと、今でもはらわた(腸)が煮えくり返るようだ」
「ですが、辱薩様(ヨクサルサマ)」
「辱薩だなんて」
縄をかけられているそばの男が聞きつける。
「もしや・・・南部辱薩ブ・ギウォン様か?」
「人違いですよ」
「ブ・ギウォンだぞ。平壌を唐に売ったブ・ギウォンだ」
「何? 逆賊ブ・ギォンに違いない」
「殺せ、城門を開けて国を売った奴だ」
「殺せ」
数人が、縄をかけられている体で、ブ・ギウォンとサブクを足で蹴りつける。
民が続々と集まってきて、皆で蹴りつける。

番兵「解散しろ。皆下がれ」
シン・ホンがのぞき込み、血だらけのサブクとブ・ギウオンに気づく。

ナムセン「何? ブ・ギウォンが?」
シン・ホン「そうです。サブクと共に隔離しておきました」
「奴め、生きていたとは。行くぞ」

ナムセンたちが歩いて牢獄へ行く。

獄中の、傷だらけのサブクとブ・ギォンを見下ろすナムセン。
「唐にまんまと騙されたーその姿は見ものだな」
ブ「それでも私は、最後まで高句麗を救おうと死力を尽くした。唐さえ裏切らなければ」「黙れ、そなたら臣下こそが高句麗を潰した元凶だ」
「だが、唐に頼って出世したりはしなかった。国を売った裏切り者はお前だ」
ぎくっとするナムセン。
サブク「我らをどうする?」
「高句麗から、最も遠い荒野へ送る。そこで牛馬のように酷使され、死ぬまで苦しむ事になろう」
シン・ホン「(戻ってきて)私の兄は?」
サブク「皇宮まで一緒に逃げたが、その後は誰も知らぬ」
ブ・ギウォン「お・・・お、おい、我らは同じ船に乗った仲だろう? 助けてくれ」
シン・ホンは行ってしまう。
「おい、待ってくれ」


平壌城の入り口の検問所
木の札を見せて、通る。
門番「次、次」
テ・ジョヨンの番。
門番は、テ・ジョヨンを剣で止める。
門番「どこから来た?」
テ・ジョヨン「唐と交易している商人だ」
門番が、テ・ジョヨンを胡散臭そうに、調べようとする。
フクスドル「ハハハハハ、だんな、これで酒でも(金を渡す)…取引で儲かってな」
門番「次」


室内(宿屋?)
テ・ジョヨンとコルサビウがいる。
フクスドルが入る。
テ・ジョヨン「どうだ?」
フクスドル「門番を買収しようとしても、すべて唐人だ」
コルサビウ「高句麗人はいないのか?」
「いても知らぬ者ばかりだ。うかつに動けば、皆死ぬぞ」
コルサビウ「仕方ない、塀を越えよう」
テ・ジョヨン「ナムセンの本心を知るには、騒ぎは禁物だ」
コルサビウ「方法がないのだ」
テ・ジョヨン「全くないわけではない」
フクスドルとコルサビウはびっくり。

馬に乗ったシン・ホン。
手綱を引く従者がいる。
フクスドルとコルサビウが現れて、従者を倒す。
シン・ホン「何者だ?」
フクスドル「俺を忘れたか? フクスドルだ」
シン・ホンびっくり。
コルサビウ「大人しくついて来い」

シン・ホンは、テ・ジョヨンが待つ部屋に通される。
振り向くテ・ジョヨン。
「私を知っているな?」
シン・ホン「一体、何だ?」
テ・ジョヨン「だんな様に会わせてくれ」
「何の用でだ?」
「前に安市城へ来た時、私に話した事があった。その真意を確かめに来た」
「それなら、今この場で私が答えられる。だが、直接聞きたいなら、場を設けよう」
「(頷きながら)かたじけない」
「人の目もあるから、明日の夜明け前に、ここにお連れしよう」
「頼むぞ」


シン・ホンは、建物から外に出る。
シン・ホンの心の声「亡き主の恨みを晴らすためにも、いつかは殺すべき男だ(歩き去る)」

フクスドルとコルサビウが、出てきて、シン・ホンの後ろ姿を見ている。
フクスドル「何だ?」
コルサビウ「あいつを信じられん」
「そうだ。経験からして奴は信用できんぞ」

イ・ヘゴが書き物をしている。
声「李副将はおいでか?」
イ・ヘゴ「どうぞ」
シン・ホンが入ってくる。
シン・ホン「名簿の整理は後にして、直ちに出兵を」
「何事だ?」
「テ・ジョヨンがいます」
イ・ヘゴびっくり。
シン・ホン「何も聞かず、今すぐ彼を殺しなさい」
「行こう(立ち上がって、剣を取り、出かけようとする)」
チョリンが入ってくる。
チョリン「兄上。夜更けにどこへ?」
「何でもない、すぐ戻る」

兵士が家を取り囲む。
刀を抜いて、部屋に入るイ・ヘゴ。
誰もいない。
イ・ヘゴ「(外へ出て)まだ城内にいるはずだ。周囲を探せ」
茂みから、その様子を見ていたフクスドルは、思った通りという顔で頷き、立ち上がる。

暗い部屋の中にテ・ジョヨンがいる。
フクスドルが入ってくる。
「どうだ?」
フクスドル「コルサビウの予想通り、唐軍が来た」
苦い顔で、机を叩くテ・ジョヨン。
フクスドル「危なかったな。コルサビウは?」
コルサビウが入ってくる。
テ・ジョヨン「調べたか?」
「この辺りで、黒ネズミは有名だ」
「黒ネズミ?」
「黒ネズミって何だ?」
「会うにはどこへ行けば?」
「城外の物乞いの村だ」
テ・ジョヨン「物乞いの村?」
フクスドル「黒ネズミって何だ? 物乞いの村は?」
「まずは、城外に出て黒ネズミに会おう」
「それがいい」
「おい、この野郎、一体黒ネズミって何だ」


ナムセンの部屋。
シン・ホン「お呼びですか?」
「一体、何事だ? テ・ジョヨンだと?」
シン・ホン「(椅子に座る)だんな様に会いたいと訪ねてきました」
ナムセン「なぜ言わなかった?」
シン・ホン「今は、彼に会ってはなりません。だんな様の目的は安東都護府の掌握です。万が一、彼に会って、ソリンギ将軍にばれたら、今までの苦労は水の泡です」
ナムセンため息。
「だんな様、今度こそ、何が何でも望みを叶えるのです。そのためにも、慎重に慎重を重ねるのです」
「では、テ・ジョヨンは?」
「今、追跡中です。平壌から簡単には逃げられますまい」


平壌城下を大きな帽子をかぶったテ・ジョヨンとコルサビウが歩いている。目の前の壁に、テ・ジョヨンの似顔絵が張られているのを発見する。フクスドルが現れる。
フクスドルも似顔絵を見てびっくり。
フクスドル「うまくいけば城外に出られそうだ。入るときの門番だったぞ、確認してきた」
「どうする?」
「このままでは捕まってしまう」
「急ぐぞ」

契丹部族長とチョリンがお茶を飲んでいる。
ソン・マニョン「(入ってきて)可汗」
部族長「李将軍はどうした?」
「敵の間者を追っています」
「間者だと? 抗唐組織の者か?」
「遼東の者だそうです。これを…(似顔絵を広げて見せる)」
部族長「これは…テ・ジョヨンだ」
チョリンびっくり。
似顔絵の前を人々が行き来する。
モゲ達がいる。
イ・ヘゴが来る。
「どうだ? 」
「奴らはまだ城内にいるはずだ」
イ・ヘゴ「ついて来い」
モゲ「しっかり見張れ」
兵隊の声「はい」
イ・ヘゴが通りながら見ていた人々の中に、帽子を深くかぶったテ・ジョヨンとコルサビウ。
フクスドル「(門番に金を渡しながら)お互いさっさと済ませよう」
門番「一行は?」
「向こうだ」
「行け」
テ・ジョヨンが通り過ぎるとき門番と目が合う。
門番「テ…テ・ジョヨンだ、テ・ジョヨンだぞ」
門番を倒すテ・ジョヨン。
フクスドル「俺に任せて早く行け」
三人で戦い、門へ行く。

イ・ヘゴたち「どけ、皆どけい(走っていく)」
テ・ジョヨン達が門を出ると、イ・ヘゴ達が追う。
「どくんだ、どけ」
「捕らえろ」

イ・ヘゴが弓を射る。

フクスドルの背中に当たる。
コルサビウが連れて行く。

イ・ヘゴ「逃がしてはならん(走っていく)」

脇道の物陰から、テ・ジョヨン達が顔を出し、様子をうかがう。
フクスドルが痛がり出す。
コルサビウが矢を抜く。
テ・ジョヨン「村は山の向こうだ。歩けるか?」
フクスドル「ズキズキする。早く行こう」
コルサビウ「(フクスドルの荷物を持つ)俺が持つ」

物乞いの村。

人々がよろよろ歩いている。
テ・ジョヨン達が入って、呆然としながら見渡す。

「飯をめぐんでおくれ」

テ・ジョヨン「お尋ねしますが、黒ネズミという者がいるとか」
聞かれた人はあわてて逃げていく。
「あの、ちょっと」
座っている人たちに聞く。
「黒ネズミという人はここに…」
みんな逃げていく。
「ちょっと、おい」
コルサビウ「皆、恐れている」

近付いてくる人がいる。
「ちょっと、黒ネズミに会うのか?」
テ・ジョヨン「さよう、ここだと聞いたが。お宅らは誰だ?」
コルサビウ「安市城から来た者だ」
「ついてきな」

フクスドル「黒ネズミはここに住んでいるのか?」
「ここで待ちな」
「ハハハハハ、まったく…汚くてお化けも来ないだろうな」
周りの人が、一斉に棒でフクスドル、テ・ジョヨン、コルサビウを殴り倒す。
「しっかり縛れ」

イ・ヘゴ達が来る。
「どけ」
「顔を上げろ」
「血痕はここで消えています」
「まともな奴は一人もいない」

黒い眼帯をした男が座っている。
イ・ヘゴがさやのママの刀をその男の肩に当てて、
「怪しい者はいないか?」
「ご覧のとおり、私は目の見えぬ者だ」
イ・ヘゴ「ここに来たはずだ」
「では、見て行ってくれ」
「皆の者、ここを隈(くま)なく探せ」
「はい、副将」
「流行(はや)り病に気を付けなされ」
「何? 流行り病?」
「病だと?」
「ここで病が広がったとは、初耳だぞ」
「昨日辺りから、一人二人死に始めた。皆に感染するわけじゃなし、早く見て行くといい」

イ・ヘゴ「待て」
人間を運んでいる人に声をかけて、止める。
死人を覆っているむしろを持ち上げてみる。
赤い斑点が出ている。
ソル・ゲトウ「ひええ、くそっ、本物の病だ」
イ・ヘゴ、顔をしかめる。

建物の中で、テ・ジョヨン達が縛られている。
フクスドル「何? 黒ネズミ? コルサビウ、お前が調べただろ?」
「黙ってろ」
「矢を背で防いでやったのに、こんな目に遭わせて」
「俺のお陰で助かっただろう」
「(しばし考えて、頷き)そうだった、へへへへ、ありがとよ」
「兄貴と呼べ、亥(イノシシ)年のくせに」
「何だと、この野郎」
テ・ジョヨン「どうもおかしい、抗唐勢力とは思えん」

村を見下ろすイ・ヘゴ達。
ソル・ゲトウ「あの…副将、このまま帰ろうぜ、あの村に隠れても無事には出られないさ、体がむず痒(かゆ)くなってきた」
「奴らは必ずあそこにいる」
モゲ「ですが、確認できません」
「焼き払え、皆消してやる。あの村を根こそぎ焼くぞ。者ども、あの村を残らず焼き払うのだ」
「あの、副将、村を焼くのは簡単だけど、また、あそこに行くのは何だか…」
「(ソルに刀を突きつけて)命令だ。早く火を放て」
モゲ「はい、副将、皆、来い」
「はい」
女の声「待て」
「チョリン」
「可汗の撤収命令だ」
「撤収?」
「ここに来たのをご存じだ。万が一、病が移ったら? 皆、撤収しろ。ここから出るのだ」


テ・ジョヨン達が縛られて閉じ込められている建物に、黒い眼帯の男達が入る。

「お前らは誰だ?」
テ・ジョヨン「安市城から来たと言った」
「黙れ、都護府の間者なのは、お見通しだ」
フクスドル「この野郎、なんて疑り深いんだ。黒ネズミに会いに来たと言っただろうが」男が、フクスドルを蹴り倒す。
「この…」
「奴らを生き埋めにしろ」
「はい」
「おい、こら」
「待て、こっちを見てくれ」

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